マーケティングストーリーラボ(MSL)

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News Update

商品販促に新視点! “52週マーケティング”の角度から、新たな商機を見つけ出せ

 

【食卓のリアルな事情&販促ヒント集】

今回からこのコーナーで52週マーケティングにまつわる情報やリサーチなど、これまでのデジタルマーケティングの切り口とは一味違ったアプローチをお届けいたします。

題して、

 

「商品販促に新視点! “52週マーケティング”の角度から、新たな商機を見つけ出せ」

 

そもそも「52週マーケティング」とは、1年間の商品計画などを週単位52週ごとに立て、生活者のライフスタイルや購買データなどの情報をもとに、そのタイミングに応じて効率的に商品拡販をすべく施策設計・実行していくマーケティング手法のこと。

ネット上で様々な情報を調べる検索ユーザーも、突き詰めれば「生活者」。

52週マーケティングの視点でその時期特有の行事やテーマを特定し、そこでよく検索されるキーワードやタイミングなどの傾向を掴めれば、そのタイミングで最適な発信につなげることができます。

このように生活者の価値観や暮らしを把握・理解し、具体的なアプローチ設計や実行を通じたコミュニケーション支援を続けてきたYUIDEAならではの視点から、主に食や暮らしなど生活者にとって近しい分野での新たな商機づくりのヒントを発信できればと思います。

 

 

季節性に左右されやすい「鍋物」について考える

さて第1回目の今回は2月のこの時期、大きな転換点を迎える「鍋物」をテーマに考えてみましょう。

一般的に鍋シーズンといわれるのは10月~3月の寒い時期を連想しますが、検索キーワード「鍋物」の月別ネット検索数からもその傾向が見て取れます。

⇒諸事情で実数をお見せできず恐縮ですが、検索キーワード「鍋物」の検索数は10月頃から増え始め12月頃がピークになっており、検索数が少ない“谷間”となる6月と比べると大きな開きがあります。またシーズン終盤である2月は前月の検索数より半減、3月は2月よりさらに半減と急速に検索需要が減っていることがわかります。「鍋は寒い時期に食べるもの」といった認識が強いためと思われますが、一方で「もう食べ飽きた」というユーザーも増えているのかもしれません。

これは逆に言えば、「時期問わず食べたくなれば」「飽きを感じさせなければ」、需要の谷となる春~秋口にかけても鍋物関連商品の販売数低下を抑えて商機につなげられるかも…

というわけで、もう少しこの検索傾向を深掘り、鍋料理の特徴のひとつである「ヘルシーさ」に着目して「鍋 ダイエット」で調べてみると面白い現象を見つけました。

以下の表は検索数の増減を色の濃淡で表現したもの(色が濃いほど検索数が多い)になります。

⇒谷間である5月頃に、ややイレギュラーな動きをしているワード「キムチ鍋 ダイエット レシピ」を発見!

⇒別関連ワードでも、やはり5~6月頃に検索数が増加しています。

 

「鍋物」では6月と12月で大きな差があったことを考えると、少し特殊な動きをしていそうですね。加えてキーワード自体も、「~レシピ」「~具材」など具体的にダイエット目的でキムチ鍋を実践しようという明確な検索意図が推し量れ、より顕在的なニーズを示しています。

これはつまり…鍋物には、「ユーザーの目的や鍋の種類によっては」通年食べられるポテンシャルがあるのでは??

試しに他の切り口でも検証!春先にも一定需要があるのか「春鍋」のワードで見てみると…

⇒「春鍋 ミツカン」が検索数の上位にランクイン。社名が直接指名検索されるほど一定の認知度があり、なおかつ検索数も前々月、前月と比較しても大きく伸びていることがわかりました。

 

実際に「春鍋」で検索してみると、ミツカンさんが「春鍋」というワードを前面に打ち出し、春食材を使った“春に食べる鍋”をPRするページが検索結果1ページ目の上位を獲得していました。

 

 

同様に、「夏鍋」のキーワードではモランボンさんが「夏鍋ランキング」を、キユーピーさんも「鍋 夏 レシピ」として発信しておりいずれも上位表示を獲得しています。

また「鍋 夏」でリサーチすると、「夏の鍋を“冷やし”で楽しみたい」「夏は“さっぱり”と」「“しゃぶしゃぶ”で」といった夏ならではのキーワードを付与した検索傾向が見えてきました。

実際に、この関心・ニーズに応えるように、食品メーカーやテレビ局がレシピや特集をネット上で発信。「時季関係なく鍋を年中楽しんでほしい」そんな発信側の声が聞こえてきます。

 

最後にグーグルトレンドでも「夏鍋」のキーワードで調べてみました。すると…

⇒2014年付近から徐々に当該ワードに対する人気度が上昇。コロナ禍の始まりである2020年に最上昇、昨年も20年に続いて伸びています。

⇒また「春鍋」「夏鍋」「秋鍋」で対比すると圧倒的に夏鍋の人気度が高く、その差が年々顕著になっていることが分かります。

 

以上のことからも、日々変化するユーザーの目的・用途に訴求する切り口を適応させることで、冬場以外の鍋オフシーズンでもユーザーの関心を高め、需要につなげることができるのではないでしょうか?

ポイントは、「“どんなワードを“いつ”検索しているか?」そして「それはなぜなのか?」検索ワードの内容とそのタイミング、推移を推し量ることで、検索者=生活者の隠れた需要が見えてきます。

 

具体的な打ち手の手順として、例えば…

  • ① まずはベーシックなキーワード(今回のケースでいえば「鍋」「鍋物」など)で検索数の増減推移をリサーチ。検索数が減少する“谷間”を見つける⇒少し視点を変えたワード(今回であれば「鍋 ヘルシー」「鍋 ダイエット」など)でも調べてみて、“谷間”期間での異常値(従来と異なる動き)を見つける
  • ② ①で発見した異常値に対してもう少し掘り下げる。例えば、「なぜこのキーワードで検索するのか?」など検索側である生活者の意図・目的や、「なぜこのタイミングでの検索が多いのか?」など生活者サイクルなどから読み解き、仮説検証を行う
  • ③ ②の仮説検証に対しての具体的な施策と訴求案の設計と実施⇒以降PDCAを順次まわす…

※「生活者サイクルの読み解きって言われても…」「どうやって仮説検証を行うの?」とご興味をお持ちの方はぜひこちらからお問合せください!

https://msl.yuidea.co.jp/form/msl-contact/

 

このような手順で、これまで見えてこなかった隠れた需要を掘り起こし、それに応えることで新たな商機づくりができるかもしれません。

ちなみにYUIDEAにはこの②に対する知見が豊富!具体策の提案から設計~実行に至るまでをフォローすることができますのでご興味わきましたらお気軽にご相談ください。

 

このような新しい商機づくりのための、“小粒でもピリリと辛い”有益な情報をコンセプトに、今後コンスタントに発信していければと思いますので、今後ともよろしくお願いします。