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大人だって楽しみたい!これからの「ひな祭り」について考える

【食卓のリアルな事情&販促ヒント集】

3月のポピュラーな行事として真っ先に思いつくのが「ひな祭り」。3月3日の「ひな祭り」といえば女の子の成長を祝う日としてイメージされるのではないでしょうか?
実はもともと3月3日は女の子のための日ではなく、平安時代には3月はじめの巳の日に、「上巳の節句」という無病息災の行事を行っており、「厄払い」の意味合いが強かったようです。時代を経て江戸時代になると、「上巳の節句」と、当時上流階級の女の子の間で行われていた人形遊びが結びつき、京都御所や幕府の大奥から更に庶民へと広まり、「ひな祭り」が現代のような「女の子の日」として広く認知されるようになりました。

しかし近年「ひな祭り」は、単に「女の子のため」のものと限定せず、以前のような広い意味合いでの行事として関心を集めつつあるようです。
Googleトレンドで「大人 ひな祭り」「子ども ひな祭り」「家族 ひな祭り」を調査してみると、5年間でそれぞれのキーワードでの検索数が上昇しており、特に「大人 ひな祭り」というワードの検索数が2015年頃から大きく伸びていることがわかります。

Googleトレンド(https://bit.ly/3thypxQ)より

この検索傾向が興味深かったので、もう少しこのテーマで深掘りしてみようと思います。

9月9日も狙い目!?大人のひな祭り

女の子以外も主役となり得そうな昨今のひな祭りですが、まずはその行事としてのタイミングについて調べてみました。

一般的なひな祭りの時期=3月3日のイメージが浸透していますが、実は秋にもひな人形を飾る風習があるのはご存知でしょうか?
9月9日は「重陽の節句」と呼ばれ、菊の花を飾ったり、菊酒を飲んだりして邪気払いや長寿を祝う風習が平安時代から明治時代にかけてあったようです。こちらは「後の雛」とも呼ばれ、雛人形を再び飾ることで自身の健康や長寿を願ったことから、3月のひな祭り=子どものためのイメージであるのに対し、9月9日の「重陽の節句」は”大人のひな祭り“といえるかもしれません。ちなみにこの日には菊の花びらを蒸して冷酒に浸し漬ける菊酒のほか、秋の味覚の代表格である栗を使った栗ごはんや、秋茄子を食べる風習があったようです。

過去実際に、9月9日に大人向けにアプローチした企業の事例も見てみましょう。
例えば株式会社フェリシモは、2019年9月9日にホテル ラ・スイート神戸ハーバーランドとの共同企画「大人のひな祭り」イベントを開催しました。
参考:
「大人のひな祭り(重陽の節句)」を祝う会を開催します。
Felissimo LX イベント「大人のひな祭り」イベント報告レポート
また、西陣くらしの美術館 冨田屋では、2021年9月9日~10月9日にかけて菊にちなんだ料理を提供し、菊酒を飲み、ご家族やご自分の長寿を祈るイベントを開催しています。
参考:
重陽の節句【冨田屋】

9月9日の重陽の節句は、3月3日と比べればあまりポピュラーとはいえませんが、「大人のひな祭り」の検索数の推移を調べてみると、例えば「大人のひな祭り 9月9日」というキーワードでも検索されており、「大人のひな祭り」キーワードとともに9月頃に検索数が増えていることがわかります。
※以下の表は検索数の増減を色の濃淡で表現したもの(色が濃いほど検索数が多い)になります。

ほかにも、Googleトレンドで「重陽の節句」を調査してみると、5年間でそれぞれのキーワードでの検索数が上昇しており、近年、「大人のひな祭り」を重視する傾向が強くなっていることがわかります。

Googleトレンド(https://bit.ly/3JbOvQm

この傾向からも、3月3日が定番とされてきた「ひな祭り」だけでなく、9月の時期でもターゲットを拡大し新たなアプローチをしてみることで競合との差別化や新市場開拓につながっていくかもしれません。

依然として長引くコロナ禍。ターゲットを広げ、時期も異なるタイミングで商機を拡大する意味でも、無病息災や不老長寿を願う重陽の節句“大人のひな祭り”を今一度捉え直してみてはいかがでしょうか。

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