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News Update

キャッチコピーは販売員~わかりやすさが誠実さ~

こんにちは。カタログ編集に携わって、気づいたら21年の編集者ハラシマです。
4月を通り過ぎ、20年から21年にランクアップしました。

前回、記事の最後にブランド牛と高級寿司を上司にねだったのですが、
誰も御馳走してくれなかったので、長らく拗ねておりましたが
そろそろ冬のボーナス時期なので、再び意欲が湧いてきました。

さて、言い訳はほどほどにして、
早速、「キャッチコピーは販売員」の4回目を始めます。


今回は前回の続きになりますので簡単なおさらいを。

※前回の記事はこちらから→編集や校正、印刷の基礎知識などをお届けする弊社ブログ「カタログ制作駆け込み寺」

「ハラシマ流 キャッチコピーにおける3つの心得」

正確であること
わかりやすいこと
魅力的であること

前回は、③の魅力についてお話をしましたが、
今回は①と②についてのお話です。

実は、正確性とわかりやすさは隣り合わせの存在です。
カタログという媒体では、商品情報の正確性が何よりも求められます。
商品の仕様書などを基にそのままを書けば問題ないと思われがちですが、
この時に「わかりやすさ」を意識しないと、事実が嘘に変わってしまう事があるのです。

それでは早速、これからの季節にぴったりのクリームシチューで例を見てみましょう。

 

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よく見かけるパターンのキャッチコピーですが、
この羅列型のキャッチコピーは無意識に嘘をつきやすいので要注意。
実はこの商品、国産原料を使っているのは鶏肉だけで、
ブロッコリーと人参は輸入原料を使用しています。

書き手は「国産の鶏肉」としか書いていないので正確に記載したと思っていますが、
この書き方ではお客様が「国産の、鶏肉とブロッコリーと人参」と
勘違いしてしまう可能性を否定できません。

ですので、わかりやすく表現をするなら――

 

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こんな感じでしょうか。
国語的に説明をすれば、修飾語の下には被修飾語のみを置くか、
続けるときは句点で文を切ります。

これであれば、国産原料が鶏肉だけであることは伝わりますが、
このように表記してしまうと「野菜の産地は?」と、
かえって気になってしまう方もいるのではないでしょうか。
また、そもそもクリームシチューにブロッコリーと人参が入っている事自体、
特筆するような話でもありませんから、材料を羅列する効果は不明です。

と、いう事で。過去にご紹介した基本を駆使し、こんな風に表現してみました――

 

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野菜は輸入原料ですが、大きめにカットされているのですから
これを「肯定力」で魅力に変換。
ごろごろ野菜」という言葉に置き換えることで、
産地よりも具の大きさというメリットを際立たせます。

「国産」は鶏肉にのみかかっているので正確ですね。

さらに、寒い夜に温かいシチューを食べるという
利用シーンをプラスすることで、共感を引き出しています。

伝えたい情報を正確に、わかりやすく、そして魅力的に整理し、
限られた文字数とスペースを有効活用することは、
販売員であるキャッチコピーの真骨頂です。

では、最後にもうひとつ。
キャッチコピーを書く際に、ついやってしまいがちな
文字数の無駄遣いについても触れておきましょう。

 

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私はこれを「知ってますよ型」と呼んでいます。
そう、貴重なスペースに商品名を入れてしまうという、最も惜しいパターンですね。
これが見た目はどう考えてもビーフカレーなのに、
鶏肉のクリームシチューだって言うなら話は別ですが、
どう見てもクリームシチューだし、商品名もクリームシチューって言ってるし……。

この「知ってますよ型」に陥る典型的なパターンは情報不足。
要するに書く事がないので、商品名でお茶を濁しているんですね。
もちろん、情報不足や、特長が少ない商品は存在します。

しかし、そんな時こそ「共感力」を活用して、
実際に買っていただいた先のシーンを、イメージする事をお勧めします。
それでは、2016年も残りわずかとなりましたが、
寒さに負けずもうひと頑張りいたしましょう!