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News Update

日本でも急速に取り組みが広がっているABMについて(その1)

こんにちは。インターンのYURIです。最近はより一層冷え込みが強くなり、外に出るのも一苦労です。東京にいるだけでもこんなに寒いと思ってしまうのに、ニューヨークなどは連日氷点下が続いていると聞きます。今回はそんな米国と日本での新たなマーケティング手法「ABM」について見ていきます。

米国で注目を集めるABMとは?

ABM(Account Based Marketing)とは、ターゲットとして個人ではなくアカウント(ターゲット企業)を中心に据え、さまざまなデータをもとに複数の部門が連携して、アカウントの選定・アプローチを行っていくマーケティング手法です。このマーケティングの考え方は、少し前2015年頃に米国のマーケティング業界の間で一気に広がり、ここ数年日本でも耳にするようになってきました。ABMは、ターゲットを企業に定義する点で個人をターゲットとするMA(Marketing Automation)と異なりますが、概念的には現在まで日本で実践されてきたマーケティング戦略に既に反映されています。組織全体で購買が段階的に行われるBtoB市場においては、ABMで複数の部門からの統合データをもとに企業全体のニーズを把握、適切にアプローチすることで、売り上げを最大化させることができます。

ABMの誕生背景とは?

日本では既に実践されていたマーケティング戦略にも取り入れられていたABMが、近年米国で広がった背景には「テクノロジーの進展」があると言われています。国土の広大な米国では、直接訪問よりも遠隔でのコミュニケーションを主軸とした営業手法が進展した結果、遠隔でも効率的に顧客のデータを一括管理できるMAツールが確立しました。そこからMAツール等のソフトウェアの開発が進み、アカウントごとに個別のコミュニケーションが実行可能になると、初めから自社の優良顧客を的確に見極めてアプローチし、売り上げを最大化させていくABMの重要性が高まっていきました。

日本への広がり

米国でのABMの高まりは派生し、日本においてもここ数年でABMへの関心は高まりつつあります。米国で導入が進むABMの特徴をみると、MAツールでの横断的な情報収集とそれをマネジメントする組織の双方がうまく機能していることがあります。実際、米国でABMが広がる前は、リモートコミュニケーションの効率化のためにMAツールが米国企業の間で既に普及が進んでいたこともあり、ABMの成功を後押ししたと考えられます。
では、ここで日本企業でのABM導入を考えると、そこには長所・短所の両面があります。
長所は、日本企業は一般的に意志決定がボトムアップ式であることから、ターゲット企業との関係づくりに重要な企業内の複数担当者へのアプローチは既に優れている点があります。

対して短所は、複数の部門からのデータを一括管理できるMAツールの導入・活用がまだまだ未熟である点が挙げられます。2015年時点でのMA市場を見ると、日本は220億円規模に対し、米国は1600億円規模であることから、MAツールの普及はまだまだな状況であることが分かります。しかし、今後の予想ではMA市場は年々増加し、2020年度には日本のMA市場規模は420億円規模(事業者売上高ベース)にまで拡大するとも言われており、MAツールの発展とともに日本でのABMの普及も進んでいくことが予想できます。

参考URL
「米国MA市場規模」:https://www.marketingautomationinsider.com/marketing-automation-vendor-market-share/
「日本MA市場規模」:https://www.yano.co.jp/press/press.php/001481

日本での導入が進む代表的なMAツール

年々拡大する日本のMA市場に関して、導入が進む代表的なMAツールをご紹介します。

MAツールでは部門別やブランド別での導入事例も増えてきています。そこからさらにABMの考えが加わり、最近ではデータの統合や統合マーケティングの実践も進みつつあります。

 

いかがでしたか?どの企業においてもABMは今後重要なマーケティング手法になってくるかもしれませんね。少しでもご参考になれば幸いです。

 

YURI
2015年12月からマーケティング部署でインターンをしております。
大学のゼミでは国際経営学を勉強中。趣味は韓国語とフラダンス。2016年に半年間のアメリカ留学を経験。日課は万歩計のチェックとお風呂上がりのアイス。何事も継続は力なりをモットーにがんばります。