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News Update

おったまげーラグジュアリー市場の変化

こんにちは、shimiです。先日来る社会人生活にむけ断捨離を行っていたら、懐かしい写真がちらほら。思わず断捨離を中断、写真を見て昔を懐かしんでいると、私にそっくりな顔で、前髪をとさかのようにし、派手なスーツを着ている母の写真を発見しました。母に聞いてみると、私と同じくらいの年の頃の写真とのこと。やはりバブル期の女子大生は違うなと心から感じました。
さて今回は、バブル期には海外の路面店に多くの日本人女性が押し寄せた、高級ブランドなどのラグジュアリー市場の変化についてみていきましょう。


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ラグジュアリー市場の変化

①ラグジュアリーブランドへの考え方の変化

かつては、ブランド品を身に付けることがステイタスとされ、自分に似合うかどうかは二の次、人気のブランドであるか、話題の最新アイテムであるかどうか重要視され、多くのブランド品が購入されました。バブル期はその代表とされ、若者の間で欧米の高級ブランドや国内のDCブランドがもてはやされ、多くの人々が高級ブランドのバッグや時計に身を包みました。
しかし現在、若者の間で「高級ブランド離れ」が叫ばれていることからも分かるとおり、人気のブランドや話題の最新アイテムであれば何でも良い都考える人は少なくなり、そのブランドが自分に合うかどうか、そのブランドを通じて自分らしさを表現できるかなど、自分の嗜好や価値観、ライフスタイルを踏まえて、自分にぴったりとはまるブランドや物を吟味して、選ぶ傾向が強まっています。

【参照】 「いま、挑戦を選ぶ会社へ。100万社のマーケティング」3月号 『宣伝会議』2018年3月号別冊 p72,73

②購買層の変化に伴う変化

現在ラグジュアリーブランドが将来の購買層として、獲得を目指している「ミレニアル世代」は、従来のようにシーズンごとのコレクションで発表された、最新アイテムが掲載されるファッション誌や、ラグジュアリーブランドが発信する店頭のショーケースだけを情報源として頼らず、あらゆるものを情報源として活用します。ブランドの直営ではないECサイトや、インスタグラムをはじめとしたSNSで見ることができる愛用者、使用経験者の声を、購入する際に参照にする人が多いようです。
アサツーディ・ケイが2017年に行った「ラグジュアリーブランド調査」によると、「どのような時に得た情報で、購入するブランドの銘柄を決定するか」という質問に対して、20代女性の85パーセント以上が、普段日常的に接する情報において購入するブランドを決定。さらに普段日常的に接する情報の詳細は、「知人・友人・家族の話」37.5%。「ネットの記事(スマホ・タブレット)」33.7%が大きな割合を占めました。ここからも若者の多くが、あらゆるものから情報を得ていることが分かると思います。それに伴いラグジュアリービジネスも変化せざるを得なくなりました。以前は「ブランド主導型」「話題先行型」のスタイルで商品を販売してきましたが、スマホを使いこなし、SNSを駆使するデジタル中心の生活を送るミレニアル世代を顧客として取り込むため、「デジタルシフト」を重要ミッションに掲げビジネスモデルを変化させています。

【参照】 「いま、挑戦を選ぶ会社へ。100万社のマーケティング」3月号 『宣伝会議』2018年3月号別冊 p72,73

ラグジュアリーブランドの未来

ルイヴィトン、フェンディ、ブルガリ、ロロ・ピアーナ、エミリオ・プッチなど、多数の高級ブランドを傘下にかかえ、高級ブランド市場の最高峰に君臨するLVMHモエ・ヘネシー・ルイヴィトン・グループは、今後ブランドを存続させるために重要になるであろう、デジタル改革に乗り出しました。LVMHのデジタル改革は、単にオンラインショップ販売をするというものではなく、時代の需要にあった効率的なサービスの提供を目指しています。例えば、ルイヴィトン、クリスチャン・ディオールを含む150のブランドの商品をオンライン上で購入できるデジタル・プラットフォーム「24 Sèvres」を世界70カ国で開始。また、「ボン・マルシェ百貨店(パリ7区にある百貨店)とは違ったショッピング経験を提供する」というコンセプトを掲げ、最新のパリのファッションが動画などでチェックできるサービスも開始しました。また、イタリアを代表するブランド・プラダも、ECとウェブサイトの拡大、店舗販売と統合したシームレスなオンラインショッピング体験の向上、ウェブ広告の3つに力を入れると発表しました。その知名度とステイタスで商品を販売し、デジタル化が遅れているとも言われてきたラグジュアリーブランド業界においても、購買層の変化や顧客の獲得にむけ、顧客目線に立ったデジタル化が進んでいっています。

【参照】
「LVMH公式ホームページ」https://www.lvmh.co.jp/
「24 Sèvres」https://www.24sevres.com/en-jp/ 
「THOUSAND JAPAN  FUKROO」https://fuk-roo.com/originals/718
「株式会社ZUU ZUUonline」https://zuuonline.com/archives/180962

 

ラグジュアリーブランドのお手本!?

さて次に、SNSを活用した巧みな戦略でミレニアル世代を中心に若者から支持されている、ラグジュアリーなストリートウエアブランド「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™(オフ-ホワイト)」について見ていきたいと思います。
オフ-ホワイトは2014年にコレクションデビューをしたブランドで、近代建築の巨匠の一人ミース・ファン・デル・ローエの作品から着想を得たと言われるグラフィカルなデザインが若者に人気で、現在はモード界を席巻する「ストリート・ラグジュアリー」の中心的存在となっています。オフ-ホワイトは、別名「ミレニアル・ブランド」とも呼ばれています。ではなぜそこまで若者の支持を集めているのでしょうか?
その大きな理由の一つに、若者の共感を得るSNSを活用した巧みな戦略があります。公式アカウントでは、斬新なデザインのコレクションとともに、世界中で若者に大人気のジャスティン・ビーバーがオフ-ホワイトのアイテムを身に付けるオフショットが投稿されています。また他ブランドとの共同制作にも積極的で、スポーツブランドである「ナイキ」とのコラボモデルの靴なども発売されました。このようにミレニアル世代の生活に大きく影響するSNSで、人気のスターを起用した写真や、SNS映えする斬新なデザイン、既存ブランドとの趣向を凝らした商品掲載を行うオフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™。特定のターゲットに効率的に商品を宣伝しつつ、情報の拡散と顧客増加を狙えるSNSを活用した「ミレニアル・ブランド」のEC戦略は、メディア化が遅れていると言われているラグジュアリーブランド業界EC戦略に大きな影響を及ぼすかもしれません。

【参照】
「DiFa 株式会社スパイスボックス」https://www.difa.me/24532/0ffwhite-sns-brand

 

いかがでしたか?これまで「ブランド主導型」だったラグジュアリーブランドビジネス。それがラグジュアリーブランドへの考え方の変化や、購買層の変化からビジネスモデルが変わっていることが分かったかと思います。一昔前のようにブランドが一方的に発信する情報よりも、自分に立場の近い人の感想を重要視していることからも分かるとおり、これからは、ブランド側が生活者の目線に合わせたコミュニケーションを考え、実行することが大切になっていくでしょう。

 

shimi
2017年2月からマーケティング部でインターンをしております。大学では、西洋史学を専攻。趣味は、旅行とサッカー観戦です。夢は、サッカーの本場スペイン旅行に行くことです!!