マーケティングストーリーラボ(MSL)

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News Update

ユーザーの検索意図を把握するには?シチュエーションに応じた検索行動の変化

2020年1月、おそらく、世界中のインターネットを使えるほぼすべての人が、次のようなキーワードを検索したのではないでしょうか。「コロナウィルスとは」「どのように コロナウィルス 予防」「今日 感染者の数」「マスクの作り方」など。もちろん私もコロナに関して様々な事を検索しました、多くの人のように、どうすれば密を避けた余暇の過ごし方ができるのかを探し、結果キャンプをするという休暇の過ごし方という選択肢が生まれました。社会情勢なども含めたユーザーのシチュエーションによって検索行動は多種多様になります。様々な検索クエリがあるなか、大切なのは検索クエリによっては、ユーザーがどのような環境、状態か異なるのでそれによってコンテンツに求められる機能と内容は大きく変わるということです。

今回は、どのように検索意図を意識してコンテンツ作成に生かすかの一例をBACKLINKO の Brian Dean氏と彼のチームによって行われたその膨大な情報を分析した結果わかった事実とともに、検索意図の傾向を自社サイトのコンテンツをプランする際にどのように生かせるかを紹介していきます。
参考元:https://backlinko.com/google-keyword-study

検索クエリ

Googleでは日々多くの検索クエリが使われ、ユーザーの検索ジャーニーが記録されています。検索クエリとは実際にユーザーが検索エンジンに打ち込んだクエリです。以前、『検索意図とは?その重要性、検索意図の調べ方について』という記事では、検索意図の重要性、種類、基本的な調べ方、そしてどのように検索意図をコンテンツに活かすかを紹介いたしました。

BACKLINKO の Brian Dean氏が共有したインサイト

ユーザーがGoogleなどの検索エンジンで情報を探すときには、複数の異なるクエリで検索をし、情報を吟味することは珍しくありません。最終的には同じトランザクションにつながる検索でも、カスタマージャーニー上のどのステータスにいるかによって検索する際のクエリが異なります。
Brian Dean氏と彼のチームは DataForSEOと Ahrefsのデータをもとにいくつかの発見をブログ上で公開しています。3億6百万もの検索クエリを分析した結果などとても興味深い結果と言えます。以下が今回取り上げるデータです。
① まずは91.8%もの検索クエリがロングテールのキーワードです。ロングテールキーワードとは、複数のキーワードの組み合わせで構成された、検索キーワードのことです。ただこれらのロングテールのキーワードは全体の3.3%の検索ボリュームしか生み出していません。
② 3億6百万のキーワードの内、上位のたった500のキーワードが全体の8.4%の検索ボリュームを作り出しています。ヘッドテール、もしくはビックキーワードと呼ばれるものになります。大抵は、「キャンプ」や「テント」など、検索ボリュームの大きい一単語でのワードが分類される傾向にあります。もちろん、「箱根 温泉」といった、複数の単語でも検索ボリュームが大きい場合はビッグワードです。
③ 全体の14.1%のクエリが、何かしらの質問をするクエリです。

※引用元:BACKLINKO,WE ANALYZED 306M KEYWORDS Here’s What We Learned About Google Searches by Brian Dean,
https://backlinko.com/google-keyword-study
アクセス日時それらをさらに細かくわけると、全体の8.07%が、「how」どのように~をするのかという質問のクエリになっています。

※引用元:BACKLINKO,WE ANALYZED 306M KEYWORDS Here’s What We Learned About Google Searches by Brian Dean,
https://backlinko.com/google-keyword-study
共有された上記のデータの詳細の内訳は「how(どのように)」が8.07%、「what(~とは)」が3.40%、「where(どこ)」が0.88%、「why(なぜ)」が、0.86%、「who(誰が)」が0.6%、「which(どちら)」が、0.33%を占めていますが、そのうちほとんどが、ロングテールのキーワードといえます。

3つのデータの解釈

BACKLINKO の Brian Dean氏と彼のチームが共有した分析結果はほかにも多くの数字やインサイトを共有していますが、検索意図をいかにコンテンツに生かすかという視点で、今回はこの三つの事実が、最もたくさんの事実を示しているため、とても有益な情報ではないかと思い共有させていただきました。
上記のデータを踏まえ、検索意図を理解したうえでコンテンツ制作このようなことが考えられます。
① コンテンツを制作する際は、自社のビジネスカテゴリ/製品/サービスに関連するコンテンツを介してユーザーの質問を解決する必要があります。
② コンテンツプランを立てる際には、どのように、どのような質問に答えていくのか、ユーザーはその質問をする際にどのようなステータスなのかを考えて加味して、コンテンツの内容を決定する必要があります。
③ ほとんどがロングテールのキーワードですので、複数のキーワードから検索されるよう、内容を考える必要があります。
たとえば、コロナ過という状況でキャンプを始めたいと思ったユーザーについて考えてみたいと思います。キャンプに行くという目的が決まった後、まずは初心者のためのどのようにキャンプをするかどのような道具が必要かを調べます。道具の選び方や、使い方、ブランドを比較し、価格も比較し購入方法を決めるという流れかと思います。もしかしたら、購入方法を決めるタイミングで、最寄りのキャンプ場の予約もしているかもしれません。検索したキーワードで共通するのは、「目的」や「知りたい事」があり、質問に対する答えを検索することによって得ようとしたという事です。このようにキャンプをはじめたいという意思決定をしてから、実際にキャンプにいくまでに、さまざまな検索クエリを駆使して、ユーザーは目的を達成しています。

検索ジャーニーの例

実際に昨年私がキャンプにいく上で検索したものを例としてあげますと、多くの初心者のように「キャンプ用具 初心者用」「スキレットの手入れ」「おすすめのキャンプ場」「コーヒーの入れ方」「キャンプ ご飯」も調べ「ブランド」「機能」「価格」を比較しました。キャンプ用具一式をそろえてからも、キャンプ場へ行く道中では、「100円ショップ」「スーパーの場所」「道の駅の場所」などさまざまな場所の情報、運転の休憩のためによったSAでもキャンプの体験をよりよくするため、キャンプ場についてからは、「薪の種類」「火のおこし方」を動画検索し、「テントの立て方」「ご飯の炊き方のこつ」も動画検索しました。翌日の朝は、「テントの干し方」「~県お土産」「最寄りの温泉」など帰宅するまで検索行動が続きました。
初めてのキャンプを終えた後、キャンプを体験するというジャーニー自体は一端終了しましたが、当時を振り返ると、「一度目のキャンプ」が終わった後、二度目のキャンプに向けてさらに検索エンジンを活用し情報を収集しています。

 サービス提供側のユーザーの検索ジャーニーの考え方

たとえば、自社のサービスがキャンプ場だった場合、初心者キャンパーに対して(すべてのキャンパーに対して、になりますが、あえて初心者キャンパーとします。)オンライン上でのコンバージョンポイントとは、ユーザーに予約をしてもらうということになります。ユーザーは比較的じっくり検討する時間をもっています。初心者の場合は、こうしていきたい、こういうキャンプをしたいという自分の経験に基づいた希望はなく、情報収集する過程で希望を膨らませ、最終的にキャンプ場を選ぶというカスタマージャーニーになります。キャンプ初心者向けのコンテンツとは、こういうキャンプ経験をしませんか、というキャンプ場からの提案とも言えます。

次に自社サービスが、立ち寄りの温泉施設だった場合、初心者キャンパーに対してのタッチポイントは、今回の私の経験では、移動中のリサーチでした。コンテンツの中身として重要なのは、施設の情報、値段、場所がわかりやすいこと。検索してから、30分後にはお湯に浸かって体をあたためたいという状況でした。出発前に計画時でリサーチしていたら、温泉の効能や、施設の綺麗さ、もしくはその温泉の歴史なども知りたいと思うかもしれません。

もし、火起こしに関連する道具を扱っているメーカーでしたら、キャンプの最中に閲覧される火起こし「how to」の動画は重要なコンテンツになり得るかもしれません。キャンプの最中でhowを検索する場合は、緊急事態の場合が多いです。その緊急時の課題を解決するタイミングでユーザーと接点を持つことは、初心者キャンパーが2回目のキャンプに挑戦する際の準備リストに自社の商品が候補に入る可能性は高くなります。
このように、ユーザーのシチュエーションにより検索行動は変化していき、ユーザーの解決したい質問や、課題などに答えることはもちろん、ユーザーが実際にどのような状況で検索しており、どのような情報がどのような形で提供されているかを意識しつつ、コンテンツを作成することはユーザーの課題を解決する観点から見るととても重要です。

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回は私個人の検索ジャーニーを一例にしてシチュエーションに応じた検索行動の変化を共有いたしました。ネットユーザーを自社サービスの消費者として考える場合、ネットユーザーの検索ジャーニーのどのポイントで接点をもって自社のカスタマージャーニーに重なるのか、もしくは検索ジャーニーのどの部分での接点が持てていないかなどを意識する事によって、コンテンツ制作のアイディア出しの一助になれば幸いです。

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