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Amazonに学ぶこれからのチャネル戦略とは? 世界最先端のマーケティングを読んだあの方に聞いてみた

 おはようございますこんにちはこんばんは、毎度おなじみKennyです。今回は『世界最先端のマーケティング 顧客とつながるチャネルシフト戦略』奥谷孝司氏・岩井琢磨氏共著(日経BP社)読んだかの有名なTAKさんにインタビューしてみました。ん?奥谷氏・岩井氏は知っているが、KennyもTAKも聞いたことがないって?安心してください、私も皆さんのことを知りませんから。お互いさまですよね。そんな与太話はさておいて、本題に入りましょう。

著者:奥谷孝司氏と岩井琢磨氏とは?

Kenny: まずは、著者の紹介をさせていただきますね。奥谷氏は1997年良品計画に入社し、3年の店舗経験の後、取引先の商社に2年出向しドイツ駐在。家具、雑貨関連の商品開発や貿易業務に従事。帰国後、海外のプロダクトデザイナーとのコラボレーションを手掛ける「World MUJI企画」を運営。2003年良品計画初となるインハウスデザイナーを有する企画デザイン室の立ち上げメンバーとなります。05年衣服雑貨部の衣料雑貨のカテゴリーマネージャーに就任し、現在定番商品の「足なり直角靴下」を開発、ヒット商品に。10年WEB事業部長。「MUJI passport」のプロデュースで14年日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会の第2回WebグランプリのWeb人部門でWeb人大賞を受賞。 2015年10月よりオイシックス株式会社入社Chief Omni-Channel Officerに就任されています。
一方、共著の岩井氏は1993年に大広に入社し、インストア・プランナー、クリエイティブ・ディレクター、ブランド・コンサルタントなどを経て大広プロジェクト・マネージャーに。流通業・製造業などの企業を対象とした、部署横断型の事業変革プロジェクト、企業ブランド再生および企業コミュニケーション設計プロジェクトを数多く手がけている。そんなお二方になります。
つまりは、とってもいろんなことをされていてすてきなお方、ということになります。

顧客体験中心型の時代へ

Kenny: 今回お読みになられた『世界最先端のマーケティング 顧客とつながるチャネルシフト戦略』はどのような本なのでしょうか?

TAK: ネットとリアルが融合する「オムニチャネル」時代において、いかにしてオンラインとオフラインの購買活動が連携していけばよいか?ということについて、3つのフレームワークと最新理論・事例を交えながら説明したものになります。

Kenny: なるほど、最新の事例を交えていくというのは日々トレンドが移り変わるデジタルマーケティングの領域では興味をそそられますね。ところで、TAKさんがおっしゃる3つのフレームワークとはいったい何でしょうか?

TAK: はい、それは「チャネルシフト・マトリックス」「顧客時間」「エンゲージメント4P」の3つです。詳細は本書に譲りますが、これらは著者のひとり奥谷氏が、実践を通して開発し活用してきたものになります。チャネルシフトへの対応を考え、戦略を構築しようとする実務家に、活用していただけるツールとなるでしょう。なかでも私の印象に残っているのは、「顧客時間」の考え方です。顧客とのつながり強化していくためには、顧客の買い物行動における「選択」→「購入」→「使用」までのプロセスを「顧客時間」とし、「顧客時間」に寄り添い、オンラインとオフラインの双方のチャネルによって、購買体験をデザインすることが必要になるということです。

Kenny: 「顧客時間」という考え方ですか、それは面白いですね。「顧客時間」というのは、私の浅はかな知識から推察するに、つまりはカスタマージャーニーを理解しましょう、ということであっていますか?

TAK: まさしく顧客時間とは「カスタマージャーニーを通じた経験」そのものと言っていいかもしれません。簡単に言えば、オンラインとオフラインを行き来する顧客にシームレスな購買体験、ポジティブな購買体験を提供することを考えましょう、ということです。具体的には、購買前、購買中、購買後という3点で、どのようなタッチポイント、体験設計をすべきかを考える必要があるいうことす。実際に私も本書を読んでからお仕事でクライアントに向けてユーザのペルソナに合わせて顧客時間のツールを用いた提案をしたことがありますよ。

Kenny: なるほど、その提案内容を見せていただくことはできますか?

TAK: それは残念ながらできないのですが、本書には実際の企業事例もありますので、ぜひご覧いただければと思います。

Kenny: うーん、それは残念です。

Amazonのチャネル戦略とは?

Kenny: ところで、冊子冒頭のイントロダクションにもありますが、Amazonはなぜ、リアル店舗を展開するのでしょうか?

TAK: Amazonは皆さんもご承知の通り、オンラインに軸足を置く企業です。しかし、Amazon Dash、Amazon Echo、Amazon Go、Amazon Booksなどといったオフラインへの展開をすすめています。これは単に「販路の多様化」と捉えるべきではありません。ネットとリアルを融合させたチャネルを通して、顧客の行動データをつかむための戦略と捉えるべきです。そしてこれらを用いて、販促・価格・商品のすべてを「個客」ごとに最適化し、オフラインの顧客を取り囲もうとしています。この顧客とのつながりを強固にするために、チャネルの認識を「販売の場」から「顧客とのつながりをつくる場」へと自ら事業変革を導いていると考えられます。

Kenny: 「販売の場」から「顧客とのつながりをつくる場」へチャネルの認識が変化している、だからこそ、前段にもありました「顧客時間」を想定した「個客」への購買体験をデザインすることがますます重要になっていくでしょう、という訳ですね。なるほどなるほど。
さて、最後になりますが、本書はどういった方に読んでもらいたいですか?

TAK:  私としては次のような方に読んでもらいたいですね。やはり本書は事例があるのが特徴ですので、最新マーケティング用語が分からないとしても、価値のある一冊になっているかと思います。

 

本書がおすすめの方

  • チャネルシフトへの対応を考え、戦略を構築しようとする実務家
  • 事業会社のマーケティング担当者
  • これからデジタルマーケティングに取り組もうとしている方、
  • 単純に最新のマーケティングに興味がある方

 

Kenny: なるほどですね、わかりました。今回はお忙しいところ貴重なお話をいただきありがとうございました。また次回作も楽しみにしております。

TAK: はい、ありがとうございます。私も次回がもしあるのならば、楽しみにしております。とはいえ私は本を読んでいるだけなのですけどね。。。

 


いかがでしょうか?現在のデジタルマーケティングの時代においては、やはり単に複数の顧客接点や販売チャネルを用意するマルチチャネルではなく、個人の顧客との対話を想定したオンライン/オフラインの顧客接点や販売チャネルを設置したオムニチャネル戦略がマーケティング活動に求められているのですね。以上、Kennyがお伝えいたしました。また次回(があるならば)お会いできることを楽しみにしております。

 

TAKKenny
まだだれも知らないがこれから有名になるであろう。決して、ねことねずみのキャラクターから名前を拝借したわけではない。好きな言葉は「面白きこともなき世をおもしろく」