マーケティングストーリーラボ(MSL)

CONNECT THE STORIES, TO LIVE AND LONG ENGAGEMENTS “生きたStoryを感じる”「場創り」と「コンテンツ創り」

News Update

通販バイヤー&マーケター必見! “売り方”をちょっと変えただけで売上アップ! 成功事例から導く3つのポイント

「予算かけて開発したのに売れない」「絶対売れると思って掲載したのに売れない」。
そんなお声を聞くと、およよ・・・・・と泣いてしまう、チャンエミです。およよ。
前職の通販会社に在籍していたころから数えると早15年近く、ダイレクトマーケティングにかかわっています。絵画やゴルフクラブ、健康食品、アパレル・・・・・と実に幅広い商品を「売って」きました。

あらためていうことではありませんが、「売る」と「売れる」では、全く意味が違いますよね。極端な話、だた「売る」だけなら誰でもできます。「売れる商品」はいわば「売れた」という結果論。その結果を出すのが本当に大変。
しかし、「売れる商品」への近道って意外と「ほんのちょっとの気づき」だったりするんです。今日からできる「気づき」の3ポイントを成功事例とともに紹介します。


【この記事を読んでいるユーザにおすすめの記事はこちら】
販促活動の次なる一手に!
「商品のどんな魅力を伝えるか?」によって、販促でのアプローチも大きく異なってきます。
そんな施策の起点となる「商品価値」を、もっと新しい視点・深い洞察をもって考えてみませんか?
独自の生活者視点や分析を強みとする弊社サービス『商品価値リノベーション』がその最適解を導きます。
◆本サービスの紹介ページはこちら

◆商品価値を考える時に役立つ資料も今なら無料でダウンロードいただけます


【事例1】刻み海苔ハサミが大変身?「秘密を守りきります!」

この商品の強みは○○だ、この商品は○○をするために誕生、といった開発時に立てたコンセプトや強み。これをブレずに売ることが大事ですが、強みに縛られすぎてはいませんか?「こんな使い方もあるんだ」という魅力に気づき、新たな使い道や強みを見つけた「売れる商品」は多々あります。

シュレッダー用ハサミ 「秘密を守りきります!」 アーネスト株式会社
秘密を守りきります[A]明細4
当初は刻み海苔を作るためのハサミだったそうですが、お客さまの「うちはシュレッダーとして使ってるわよ!」の一声でシュレッダー用ハサミとして販売、これで約5億円も売れたそうです!しかもこの事例がスゴイのは、海苔用とシュレッダー用で持ち手の色を変えただけ(赤→青)。ゴイスーです。

ちなみにこれを書きながら、前職のバイヤーが「家庭用のメガネ洗浄機(メガネ屋さんの前に設置している簡易版)」を小型犬の足を洗うのにおすすめ、って売ってみるのはどう?と提案してきたことを思い出しました。クレイジーすぎますね。

ポイント①
強みに縛られず、他の使い方がないか検討する。

【事例2】サモ・ハン・キンポーからミランダ・カーへ「黒烏龍茶」

若い女子が憧れるミランダ・カーが、トンカツをガブリと食べ「KURO―」と叫ぶ。そしてキュッと締まったウエストを想起させる、スタイリッシュなボトル。完全にキラキラ女子向けへと変貌してしまった、

「サントリー黒烏龍茶」サントリー株式会社

覚えていらっしゃいますでしょうか?昔のCMには、サモ・ハン・キンポーやアントニオ猪木が出ていました。そして、ボトルもよくあるお茶の小さいペットボトルでした。

すでにオチが見えているかもしれませんが、明らかにターゲットが変更されていますよね。ちょっとメタボを気にするおじさん(サモ・ハン・キンポー)から、日ごろからスタイル維持に気をつけているキラキラ女子(ミランダ・カー)に。

「より幅広い層に受け入れられたい」ということで、リニューアルに至ったそうですが、マーケティング調査で意外と若い女性も買っている、といことが分かったのではないでしょうか。

ターゲットを若い女子に変更し、そんな女の子達が持ちやすく、取り出しても恥ずかしくないおしゃれなボトルにしよう、そう、まさしくキラキラ黒烏龍茶!結果、販売数も伸びているそうです。

「サントリー黒烏龍茶」はスリムなボトルで若者世代が支持
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/161177/1

息スッキリでおなじみのクロレッツのブランド秘話も参考にどうぞ。
昔は小売店の女性がターゲットだったそうです。

クロレッツ日本発売30周年記念!
ブランドを支え続けた開発・マーケティング・営業のビハインドストーリー
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000009251.html

ポイント②
想定したペルソナを疑ってみる。振り切れるときは躊躇なく。

【事例3】発売直後でもない、メモリアルでもない、でも売れた「やすきよDVD

最初に書いておきますと、これは私の実体験であり、はじめて「編集っておもしろいな」と思った企画です。

今から12、3年前、私は60代以上の男性をターゲットとした健康器具やサプリメントを扱う月刊カタログの制作を行っていました。ある日、バイヤーが「やすきよのDVD」を掲載してくれ、と持ってきたのです。(若い方はご存知ないかと思いますが、「メガネ、メガネ~」でおなじみの横山やすしと「ヘレン~」でおなじみの西川きよしのコンビです)

どこの媒体も載せてくれないと文句を言うのですが、DVDなんて、発売直後か何かのメモリアルでもなければ、通販では売れません。しかも、健康のカタログとは無関係。「あっちいけよ」と一度は冷たくあしらったのですが、後日、「笑いがもたらす健康効果」が話題に。もしや、このブームに乗っかれば売れる・・・・・・・? 世代的にお客様との相性も良い・・・・・・?笑うだけって手軽さもお客様の傾向にあう・・・・・・?

・笑いが健康にいいと話題(トレンド)
・お客様の世代・購入傾向からインサイトを分析
「やすきよ」も受け入れやすい年齢
特長としてムリはしない、ラクして健康が一番

カタログ内で「笑いのススメ」という特集を作り、笑いの効果が話題であるという情報を紹介。やすきよのDVDだけでなく、綾小路きみまろのDVDや、ちょっと笑えるグッズなども一緒に掲載したところヒット企画となりました。

ポイント③
「トレンド」と「顧客インサイト」をかけ合わせてみる。

以上が、売るための「気づき」3ポイントになります。
なんだよ、そんなことかーと思うくらい簡単なことですが、参考になれば幸いです。
小難しく考えたり、いろいろなマーケティングツールに頼らなくても、意外と近くに売れるヒントが転がっているかもしれませんよ。

<まとめ>
強みに縛られず、他の使い方がないか検討する。
想定したペルソナを疑ってみる。振り切れるときは躊躇なく。
「トレンド」と「顧客インサイト」をかけ合わせてみる
 

長文にお付き合いいただきありがとうございました。
みなさんの熱意のこもった商品が多くの消費者に届きますように!