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LTV(Life Time Value)とは?-算出方法と向上のさせ方-【後編】


この記事の前編はこちら
LTV(Life Time Value)とは?-算出方法と向上のさせ方-(前編)

こんにちは、Tomです。前回は、顧客売上を「点」ではなく「線」で考え、「LTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)」の視点を把握することをご紹介してきましたが、今回はそこからさらに掘り下げ、より効率的にLTVを向上させる視点について考えてみたいと思います。

■まずは前編のおさらい

・LTVとは
LTV(Life Time Value:ライフタイムバリュー)とは、“顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益”のこと

・LTVの算出方法
LTV=平均顧客単価×購買頻度×継続購買期間
または
LTV=(平均顧客単価×購買頻度×継続購買期間)-(新規獲得費用+顧客維持費用)

・LTVを高めるには
LTVは5つの要素(平均顧客単価・購買頻度・継続購買期間・新規獲得費用・顧客維持費用)で構成されています。この中の平均顧客単価・購買頻度・継続購買期間を上げ、新規獲得費用・顧客維持費用を下げることでLTVは向上します。

効率的にLTVを高めるためには

前回の最後で、LTVを向上させる5つの具体的アプローチをご紹介しました(詳細はページ冒頭の前編をご覧ください)。

LTVは5つの要素(平均顧客単価・購買頻度・継続購買期間・新規獲得費用・顧客維持費用)で構成されていますが、コスト削減目的で真っ先に新規獲得・顧客維持費用を抑えようとするのはあまりおすすめできません。さまざまな業界・企業が多彩なアプローチ展開をする今、顧客に選ばれ続けるように積極的かつ継続的なコミュニケーションを維持することはとても重要と考えるからです。

ではどのようにLTV向上を効率的にすすめればよいのでしょう?
この時に考えたいのが、「既存顧客にプライオリティをおく」ことです。

その理由は大きく3つ。
① 新規獲得と既存顧客の維持を天秤にかけた場合、新規顧客は平均顧客単価や購入頻度が低い傾向にある。「平均顧客単価・購買頻度・継続購買期間」の観点を考えた場合、新規顧客をいきなりスケールさせることが難しいといえる。
② 一方、既存顧客はアプローチする手段を既に持っているためリピート契機はもちろん、単価を高めてロイヤル顧客化する機会もつくりだしやすいといえる。
③ また、既存顧客は継続的にサービスを利用してもらえているため、顧客・購買・行動データ分析や顧客の声をヒアリングしていくことでリピート化・ロイヤル化が実現できた要因の仮説がたてられる。

これらの観点から既存顧客に重点を置くことがより効率的なLTV向上につながると考えられます。逆にいえば既存顧客のフォローをないがしろにしてしまうと、「自分は相手にされていない」と顧客に感じさせてしまうことになり、平均顧客単価・購買頻度・継続購買期間のどれもが下がり、結果的にLTV全体が下がってしまう可能性が生じてしまいます。

LTV向上のカギは、「顧客コミュニケーション」

LTV向上で重要なのは、単価・頻度・期間を上げるために“顧客を優良顧客にして定着させること”。そのために大切なアクションは“顧客とのコミュニケーション”になります。断続的であったり、一方向のコミュニケーションではなく、“継続的に双方向のコミュニケーション”をとることが大切です。

■おすすめのコミュニケーション方法

顧客とのコミュニケーションにオススメのマーケティング手法を1つご紹介します。それは“コンテンツマーケティング”です。ユーザーにとって価値あるコンテンツを制作・発信し、そのコンテンツを通じてコミュニケーションをとる手法です。
企業や製品の情報だけでない、ユーザーにとって価値ある情報の提供で潜在顧客の集客やニーズの顕在化、見込み客の育成ができます。ほかにもユーザーのインタビュー記事や製品の開発背景・正しい使用方法・様々な活用方法などのコンテンツで新規顧客の購入後のフォローができ、リピート購入につなげることができます。コンテンツマーケティングは新規獲得と顧客維持両方に効果を出すことができLTV向上と相性がとても良いのです。また、優良顧客の訪れたコンテンツや商品購入までのプロセスを分析することで顧客育成のアプローチ改善に活かすことができます。

■なぜ既存顧客アプローチに有効なのか?

コンテンツを通じユーザーにとって有益な情報を提供していくコンテンツマーケティングという考え方の中では、さまざまな観点からのアプローチが考えられます。

例えば…
・ユーザーボイス(購入者にインタビューし生の声を届ける)を発信し、実際の使用感をリアルに訴求。新たな購入動機形成につなげる
・購入後の活用方法や手入れの仕方などをコンテンツ化し、初回購入ユーザーのリピート育成につなげる
・顧客のステータスに応じてのステップメール配信やメルマガ会員限定キャンペーンなどの展開により既存顧客のロイヤル化促進 など

中長期的での視点が不可欠なLTVだからこそ、一朝一夕でおわらない、じっくり腰を据えさまざまなコンテンツアプローチが可能なコンテンツマーケティングが有効と考えられます。以下にご紹介するのは、このコンテンツマーケティングをはじめとする中長期視点での具体的な施策になります。

『オウンドメディアの成果とは?成功のコツは目標設定』
既存顧客とエンゲージメントを構築しLTVを向上させていく。それにあたって悩ましいのは、どうしても曖昧かつ定性的になってしまいがちな目標の設定です。目標の数値化にあたっての基本的な考え方や他社の具体的事例紹介を通じ、より具体的かつ定量的な目標設定により明確な成果を出すためのアプローチを考察しています。

『これから始める!WEB集客力を高めるための基本とアイデア・実践事例』
Web上での顧客コミュニケーション展開で有効なのはコンテンツマーケティングだけではありません。SEOを主軸としたオーガニック流入を目的とした同手法とは異なりソーシャル流入を目的としたSNS領域も施策候補として検討してみてはいかがでしょうか?ここでは集客の基本からSNS活用についての考え方を丁寧かつ具体的な取組みについてご紹介しています。

まとめ

前編・後編にわたりご紹介してきました本テーマ、いかがだったでしょうか。色々な公式や単語が登場しましたが、まずは自社サービスのLTVを算出することから順番に始めてみるとわかりやすいのではと思います。短期的観点にとどまらず、LTVのような中長期での考え方を通じ顧客とのエンゲージメントを高めていく。そんな角度からのアプローチが御社マーケティング戦略における一助になればうれしいです。

それでは、良いマーケターライフを~。