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ヒューリスティック分析とは?アプローチ手法について

アクセス解析、ヒートマップ分析、ユーザーテスト――サイトの分析手法にはいくつもの手法がありますが、課題を抽出するときにどの手法を用いるかで悩むことはありませんか?今回は、その中でもサイトのユーザビリティにフォーカスした分析手法であるヒューリスティック分析について、自分で分析を行うときのアプローチ手法を紹介いたします。

ヒューリスティック分析

ヒューリスティック分析とは、専門家が経験則に基づいて、実地検証によってUIのユーザビリティを測定し、問題を報告するプロセスです。対象となるWebサイトやアプリのユーザビリティの向上に役立つ課題を抽出するためによく使われます。

ヒューリスティック分析のアプローチ

ヒューリスティック分析は経験則に基づく分析であるため、分析者によって重視する要素に偏りが出やすいという特徴があります。分析者による偏りを減らすためには、どのような視点を重視して分析を行うのかというモデルが必要となります。そこで参考になるのが、ニールセンのユーザビリティ10原則です。

例:ニールセンのユーザビリティ10原則

1.システム状態が視覚的に分かること(Visibility of system status)
2.システムと実世界のマッチ(Match between system and the real world)
3.ユーザ制御と自由度(User control and freedom)
4.一貫性と標準化(Consistency and standards)
5.エラー防止(Error prevention)
6.記憶よりも見た目の分かり易さ(Recognition rather than recall)
7.柔軟性と効率性(Flexibility and efficiency of use)
8.美しく、最小限のデザイン(Aesthetic and minimalist design)
9.エラー時にユーザーが認識、診断、回復が可能(Help users recognize, diagnose, and recover from errors)
10.ヘルプとドキュメント(Help and documentation)

上記がニールセンのユーザビリティ10原則です。ただこのままだと、具体的にサイトをどのように評価すべきかわかりにくいので、弊社ではよりわかりやすく、評価基準を下記の二軸に分解し、評価項目が明確になるよう分析項目の設計を行っています。

●ユーザーにとって
1. 見つけやすい
2. アクセスしやすい
3. 明快である
4. 伝わりやすい
5. 便利
6. 信頼できる
7. 制御しやすい
8. 価値がある
9. 学びやすい
10. 楽しい

上記の10項目をそれぞれ下記のような観点から評価していきます。

●観点
A) ユーザーのニーズに合っているか
B) 機能面の観点
C) 構造上の観点
D) レイアウトの観点
E) ビジュアルの観点
F) コンテンツの内容
G) 使われる言葉
H) 初見のユーザーの観点

Googleアナリティクスなどを用いたWebアクセス解析だけでは、どうしても着目している数字の推移や目標の達成度などに注意が行きがちです。ユーザーの“使い勝手”の課題は実際に“体験”することでより具体的に抽出することができます。

ヒューリスティック分析のメリット・デメリット

ヒューリスティック分析メリット・デメリットには次のようなものが挙げられます。

メリット

●コストが低い
●自社サイトだけでなく、競合サイトも分析が可能
●評価対象が未完成でも(テスト段階でも)分析できる

デメリット

●分析する人の主観が入りやすく評価の根拠が薄れる
●結果を数値化しにくいため、説得力に欠ける結果になってしまう可能性もある
●定性的なレポートに終始するため、裏付けとなる定量的な評価を添える工夫が必要

ヒューリスティック分析の手順

弊社ではサイトの課題抽出の際、他の分析手法と併用してヒューリスティック評価を行い、ユーザビリティ観点からの課題の抽出をすることが多く、その際は下記の手順で実施しています。

① 分析目的の確認

(ア) 得たい成果の優先順位付けを行います。商品の購入、会員獲得、商談機会獲得、ブランド理解等、得たい成果は多岐にわたるかと思います。優先順位をつけて分析の目的を整理します。

② ターゲットの設定

(ア) サイトに訪問するユーザーの属性を設定します。「性別、年齢、趣味趣向、年収、家族構成、職業、役職など、どの層をメインターゲットにしているか」「どのようなきっかけで、どんなデバイスでサイトに訪問するか」など、成果をあげたいユーザーのペルソナを具体的に設定すれば、分析を行う観点をはっきりさせることができます。

③ 分析対象の設定

(ア) サイトのすべてのページを分析することが理想的ですが、限られた時間とリソースの中で確実に効果をあげるために、分析する対象のページを設定します。例えば、①で設定した分析目的を、「ビジネスパーソンに特定の資料DLを促すページの効果検証」とした場合、ランディングページと資料DLまでの導線が分析対象ページとなります。

④ 分析指標の確認

(ア) ページの構造や操作性
(a.) ユーザーが迷わない導線設計になっているか

(イ) デザイン
(a.)直感的に操作できるか
(b.)一貫性のあるデザインか

(ウ) 具体的なユーザビリティ
(a.)適切な場所に適切な機能が配置されているか

(エ) コンテンツ
(a.)伝わりやすい・分かりやすい言葉で表現されているか

⑤ ユーザー②の疑問が解決される内容かヒューリスティック分析の実行

(ア) ③で設定したページ上で、対象となるユーザー②がスムーズに目標①に到達できるかを④の観点で評価していきます。

⑥ 分析結果を元に、課題を抽出する
⑦ 抽出した課題の改善施策を提示する

アウトプットのサンプル

さらに評価者が下記のような質問に○×で答えることによって定量的なレポートの作成も可能です。

※レポートの一部
レポート結果をまとめることによって、ヒューリスティック分析の結果の裏付けと、課題解決にむけての最適なアプローチ方法を導き出しています。

レポートの結果を添えることによって、具体的な課題点を可視化できます。上記の場合、機能や構造面では比較的ユーザビリティは担保できているが、レイアウトやクリエイティブなどのデザイン面での改善が必要と解釈できます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。以上がヒューリスティック分析を行うための手順の説明になります。ヒューリスティック分析自体には大まかな雛形があるため、分析の設計を丁寧に行えば、比較的すぐに実行可能です。また、データの蓄積を必要としないため、競合サイトと自社のサイトのユーザビリティを比較することも可能です。一方で、評価者の主観が分析結果に反映されるため、客観性を担保するためには第三者に評価者となってもらうことをお勧めいたします。自社サイトのユーザビリティの分析、競合サイトとの比較などにご興味があれば、お気軽にご相談ください。
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