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【アメリカマーケティング事情】全米でロボット・おさるが人気!?ヒットの秘密は「最新テクノロジー」×「社会貢献」

こんにちは。世界のママを研究しつくす!「グローバルママ研究所」Maikoです。
海外で火がつき、日本でも大ヒットするおもちゃはたくさんあります。指先で弾いて回すというシンプルな構造の「ハンドスピナー」のヒットは記憶に新しく、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するおもちゃは、おさるのロボット「Fingerlings」。すでに、アメリカでは売り切れ店が続出しているのだそう。このおもちゃのヒットの理由は、商品自体の魅力だけでなく、「最新テクノロジー」「社会貢献」にありました。

「ウッキッキー」
公式サイトのビデオクリップを再生すると、かわいらしいおさるの声が聞こえてくる。これは、アメリカで2017年8月11日に発売となった「Fingerlings(フィンガーリングス)」というおさるの形をした新型のペットロボットだ。すでに売り切れ店が続出するほどの人気ぶりである。アメリカではクリスマスに向けて新商品が登場し、親たちが買い進める動きが出てきている。フィジェットスピナーが子どもたちの間で爆発的な人気となったが、次なるトレンドとして注目を集めているのが、この商品だ。これまでもペットロボットは数多く発売されてきたが、今までのものとどこが違うのか。実は、このおもちゃは、希少動物保護を子どもたちが考えるきっかけづくりにもなっているという。
今回は「Fingerlings」の特徴と爆発的なヒットのきっかけを現地ママ目線でレポートする。

商品・プロモーションの概要

個性が光るペットロボット「Fingerlings」

「Fingerlings」とは、手のひらサイズのサルのペットロボット。頭を撫でるとスイッチが入り、子どもの反応に対して、体を動かしたり、キスをしたり、オナラをしたり、約40種類以上の動きをする。100グラムと軽くて小さいので、クルンと曲がったしっぽを指にひっかけて遊んだり、手のひらの上で寝かしつけたりと持ち運びも自由自在。全6種類でFinn、Mia、Zoe、Boris、Bella、Sophieと名前がついていて、色によって反応がそれぞれ違う。ペットロボットであっても個性があるのだ。通常のペットロボットは1体あたり約30ドル〜40ドルと決して安い買い物ではないが、「Fingerlings」は1体あたり、15~19ドルとペットロボットにしては低価格なので、2匹、3匹と複数購入につなげていけるのもヒットのポイントである。

 

気になるヒットのきっかけとは?

アメリカでは、夏休みが終わって新学期に入るころ、おもちゃメーカーが新作を続々と発表する。それに合わせてAmazonやWalmart、Toys”R”Usなどは「ホリデーリスト」なるものを発表する。これは、ホリデーシーズン(クリスマス)に向けた子どもたちにオススメのおもちゃのリストである。親たちは、これを参考にクリスマスのプレゼントを選ぶわけだが、「Fingerlings」は、このホリデーリストでも上位にランキングされ、人気のママブロガーたちにもSNSなどで多く取り上げられた。そのため、販売開始前から話題となり、売り切れ店が続出するほどとなった。買えないとなるとより欲しくなるのが人間の心理なのだろう。ネット上のレビューでも、「子どものために(孫のために)どこでなら購入できるのか」という質問が多く飛び交っている。

全米ヒットの秘策!希少動物保護という「社会貢献」キーワード

「Fingerlings」のモデルとなったのは、南アメリカ西部アマゾン流域の熱帯雨林に生息する希少動物ピグミーマーモセット(Cebuella pygmaea)という世界最小クラスの猿である。成長しても手のひらサイズの小さな体はとても可愛らしく、ペットとして密猟されているそうだ。「Fingerlings」販売しているWowWeeは、違法に取り引きされる動物たちを救うため、WildAid(ワイルドエイド)という動物保護の非営利団体に対して、販売された「Fingerlings」1体ごとに1ドルを寄付している。アメリカでは、メーカーによる社会貢献やチャリティが盛んだ。おもちゃメーカー各社も、児童養護施設に無償でおもちゃを提供したり、食品メーカーとタイアップしておもちゃをつくり、売上の1%を子どもの栄養摂取率を高めるNGO活動に寄付したりと、ただおもちゃを販売するのではなく、「社会貢献」もヒットのキーワードになっている。

参照URL(すべて英語):

「Fingerlings」公式サイト
https://fingerlings.wowwee.com/fingerlingsfriday/
「Fingerlings」に関するアマゾンレビュー
https://www.amazon.com/dp/B01N16GJG0/ref=twister_B0747Y3YL4?_encoding=UTF8&psc=1
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「Get Ready To Go Bananas Over WowWee’s Newest Toy: Fingerlings™ Baby Monkeys – Now In Stores!」
http://www.prnewswire.com/news-releases/english-releases/get-ready-to-go-bananas-over-wowwees-newest-toy-fingerlings-baby-monkeys—now-in-stores-300503130.html
「New Toy Craze Is Launching Today! Introducing Fingerlings (Win All 6! $90 value)」
http://celebritybabytrends.com/fingerlings-baby-monkeys-are-the-must-have-toy-this-fall-win-all-6
「Fingerlings Are Monkey Friends You Wear On Your Fingers」
http://www.thetoyinsider.com/fingerlings-toy-review/

 

支持されている背景・理由

最新テクノロジー+α(社会貢献・チャリティ)

まず、以前のペットロボットに比べ、格段にリアルに再現されているうえに、多種多様な動きが子どもたちを魅了する。その動きはキャラクターの色によって異なる。さらに、ペットロボット同士の交流により、新たな反応を引き起こすこともできる。価格も手ごろだ。1体あたり15~20ドルと抑えられており、つい、2つ、3つと全色そろえたくなる子どもたちの収集心もきっちりとらえている。さらに、最新テクノロジーといえど、触れたり、こちらの反応に合わせてペットが動くため、スマート・トイでありながらもコミュニケーションの大切さや、ごっこ遊びなどの創造性の要素も大切にしている。加えて、おもちゃを通して希少動物について学ぶきっかけとなったり、チャリティとして社会貢献に参加できることもヒットの重要な要素となっていると考えられる。

アメリカのママ&キッズの心をくすぐる3つのポイント

1.ロボットなのにとにかく安い!

たいていのロボットはおもちゃであっても高単価となりがちだ。しかし、「Fingerlings」は1体あたり15~20ドルであり、親たちも気軽に手を伸ばせる価格である。

2.持ち運びも簡単!かわいい40種類の動きで子どもを魅了

本体が100グラムと軽く、簡単に持ち運びができることもポイントだ。ちょっとしたお出かけにも連れていけるかわいいペットとの接触ポイントが増えれば増えるほど、子どもたちの心を惹きつける。

3.テクノロジー+社会貢献

せっかくおもちゃを買うなら、何らか社会貢献につながるものを、と思うのがミレニアル世代を中心としたアメリカの消費の傾向。「Fingerlings」はこの要素をきちんと網羅している。

 

大手ファッションブランドが毛皮の使用をやめ、エコファーに切り替えたり、化粧品メーカーが動物での試験を取り止めたりと、地球環境の保護や動物保護のための活動はCSRの一部として企業に求められています。今回ご紹介した「Fingerlings」のアメリカでの大ヒットは、商品のすばらしさや機能性を追求するだけでなく、「社会貢献」という新たな付加価値が商品の売り上げに密接に関わっていることを示唆しているのではないでしょうか。

 

グローバルママ研究所
世界34か国在住の200名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2017年4月時点)。企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。
http://gm-ri.com/