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【中国最新デリバリー事情】共働きママの強い味方!スマホ1台でシェフもデリバリー

こんにちは。世界のママを研究しつくす!「グローバルママ研究所」Nanaです。共働きママなら一度は夢みるはず。自分は自宅から一歩も動かずに、シェフがつくるおいしい食事が自宅のダイニングテーブルに出てきたら…。こんな夢のような話が、中国では当たり前になりつつあるようです。日本でもデリバリーサービス関連では、「UberEATS」「LINEデリマ」など新しいデリバリーサービスが続々誕生しています。ここからどう伸びていくか、注目ですね。
今回は、大変便利な中国の最新デリバリーサービスを実際に利用した中国在住ママからのレポートを紹介します。

「ワイマイ(外卖)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。いわゆるデリバリーサービスを指すこの言葉。中国では何でもデリバリーできる文化があるといっても過言ではない。流行の商品から、毎日の買い物、大人気レストランの料理まで、スマートフォンひとつあれば、家から一歩も出ずに何でも手に入れることのできるのが現在の中国だ。
「赤」「青」「黄」と、カラフルな各社の制服を身にまとい、バイクを乗りまわすおじさまたちをあなどるなかれ。その配達スピードはすでにAmazonを超えているかもしれない。もはや何を配達しても驚かれない中国では、料理の配達には飽き足らず、シェフまで自宅に送り込んでくる、強気のサービスを開始。それが今、とても人気を呼んでいる。

シェフのデリバリーサービスとは?

デリバリーは当たり前、あなた好みのシェフが出動します!


2017年7月26日付けの「BUSINESS INSIDER」記事(https://www.businessinsider.jp/post-100339)によると、

中国では、フードデリバリーの市場規模は一貫して拡大傾向にある。「2016年中国外売O2O業発展報告」(iResearch)によると、2010年にはわずか586億元(約9750億円)だった市場規模は、2015年には2391億元(約3兆9850億円)に達している。

とある。
筆者が住む上海でもその勢いは日々感じる。なんと、上海のとあるデリバリー・アプリでは、あのコールド・ストーン・クリーマリーまでも配達可能なのだから。
ここでさらなるサービス拡大のなかで登場したのがシェフのデリバリーサービス。さっそく、流行に敏感な中国の友人に教えてもらい、シェフをデリバリーしてみた。今回利用したのはハオシェフ(好厨师)という名のサービス。電話やインターネットから予約可能。ページを開いてみると、料理のジャンルや、シェフまで自在に選べるようになっている。中国だからといって、中華料理ばかりではない。イタリア人シェフを呼んで、ランチ兼イタリアンレッスンなんて有閑マダムが喜びそうなサービスまである。そのほかにも、料理に合うソムリエサービスもあり、ソムリエまで呼べる。筆者が利用した「好厨师」では、中華料理といっても四川料理や広東料理など、シェフはそれぞれ得意料理のジャンルを持っている。消費者は、その料理が得意なシェフを選ぶことができる。もちろん、おまかせもOKだ。食べたいジャンルが決まったら、すべてを任せてしまうこともできる。シェフ選定からメニュー、品数の決定、食材の調達、すべて任せて、後はお腹を空かせて待つだけである。
一方、何でも自分の思い通りにというアレンジも可能だ。前評判で聞いた人気のシェフを指名、食べたい料理名から品数まですべて指定することもできる。筆者のような外国人の場合、不慣れな食材があれば抜いて調理してもらうこともできるし、市場で調達される食材の衛生面が気になるようであれば、安全面が確保された肉や野菜を自分で購入しておき、それを使って調理するように依頼することも可能だ。
さあ、いよいよシェフの登場!いい香りが自宅キッチンに漂う。ホームパーティーにシェフを招いても盛り上がるだろう。うれしいことに家庭への負担も少ない。盛り付ける食器や、鍋などの調理器具を提供するくらいで、特殊な調理器具やスパイスの準備は不要。すべてシェフが持ち込んでくれる。前菜からスタートし、一品一品、目の前で美味しそうに平らげていくゲストを見ながら、最高のタイミングであつあつを提供してくれる。これまた贅沢である。小さな赤ちゃん、動き回る子ども、外出の困難な高齢者まで、自宅ならみんなそろって気兼ねなく食事を楽しむことができる。また、時間で雇われたシェフはさぼらない。最後の一品を作り終えるまでは、合間の時間に洗い物までしてくれるというサービスだ。料理への質問、要望も随時受け付けてくれる。そんな風に楽しい時間を共に過ごしたシェフは、まるでその食事の席の一員のようである。パーティーの集合写真を撮ってもらうだけでなく、シェフも一緒に一枚、なんてSNS映えしそうな写真も間違いなく記念になるだろう。そして、サービス拡大の一翼を担っているに違いない。

参照URL:
「好厨师-预定厨师上门烧菜」公式ホームページ
http://www.chushi007.com/
「饿了么」公式ホームページ
https://www.ele.me/home/

支持されている背景・理由

そもそも、中国では男女平等が強く浸透しており、共働きが当たり前で家事などの分担も平等だ。余裕のある家庭ではお手伝いさんを雇っているため、料理を作るのは苦手だというママが多い。そのため、自分が何も手を動かさなくても、見た目が豪華で味もいい、プロの料理が自宅で食べられるシェフデリバリーサービスはまさに救世主ともいえる。また、赤ちゃんがいたり、高齢者がいると、外食でゆっくりするというのも難しいが、このサービスであればスマートフォン一つであっという間にシェフが手配できるし、“外食気分”を味わえる。さらに、ユーザー評価なども星の数やコメントで明確にわかるため、各シェフも評価が下がらないように必死だ。そのため、自然とサービス味も、すべて透明化されてごまかしがきかなくなり、ユーザーメリットが高まるというサイクルが回る。

中国・上海ママの心をくすぐる3つのポイント

1.料理苦手な上海ママの救世主!

共働きがスタンダードで料理が苦手なママの多い中国。作るのが億劫でも、自分好みのホームパーティーをプロの力を借りて主催することができる。見栄を張るのが当たり前、普段はお手伝いさん頼みで食事を作ることの少ない上海ママには、見映えよし体裁よし味よしの三拍子そろったサービスといえる。

2.忙しい共働き家庭や赤ちゃん・高齢者がいる家庭向け

外食の困難な赤ちゃん連れ、高齢者のいる家庭でも、レストランさながらの料理を自宅でゆっくり味わうことができる。

3.スマホ一つで手間いらず、安心安全や味も手に入る

スマートフォンひとつであっという間に準備が整うだけでなく、面倒な後片付けも手伝ってもらえて負担が少ない。また、透明性の高い評価システムで安心してオーダーできるうえに、食材が心配な場合は自己調達も可能。

 

家から出ずに、スマホ一つでシェフまでデリバリーできるなんて、外食の概念を覆すようなサービス。毎日は無理でも、日々忙しいママがたまに休息時間を確保するため、そして、日々頑張っている自分へのご褒美として、活用してみてもよいかもしれません。今後、日本においてもさまざまなデリバリーサービスが誕生するのが楽しみです。

 

グローバルママ研究所
世界35か国在住の200名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2017年12月時点)。企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。
http://gm-ri.com/