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【フランスマーケティング事情】ファッション界が注目!アシックス社シューズの人気の秘密

こんにちは。世界のママを研究しつくす!「グローバルママ研究所」のNanaです。
ここ数年、「スポーツ・ファッション」が流行しています。ファッションに敏感な層にもスポーツウェアやスポーツシューズが、ファッションとして浸透。着心地がよく、機能性に優れ、その上おしゃれに見えるなんて、最高ですよね。そんななか、フランスで特に人気が高まっているのが、意外にも日本の「アシックス」。今回は日本が誇るスポーツブランド・アシックスに焦点を当て、その成功の秘訣に迫ります!
 

昨今マラソン大会が各地で開催され、競技人口も年々増しているフランス。ファッションとしてのスニーカー人気も衰え知らずで、スポーツメーカー製シューズのニーズは高まるばかりだ。スポーツブランドといえば海外メーカーが優勢なのかと思いがち。ところが、ナイキやアディダスなど強豪ブランドの多いスニーカー市場で、日本のアシックス社製シューズがフランスで順調にシェアを伸ばしている。スポーツ向けとしての需要だけでなく、パリのセレクトショップで取り上げられるなど、ファッション界でも注目されているのだ。フランスでアシックスのシューズが好調な理由とは?同社が行っているマーケティング活動を通して、その躍進の秘密を探りたい。

商品・プロモーションの概要

ランニングシューズ市場のシェアを着実に広げてきたアシックス

フランスで1,200〜1,600万人はいるとされているランニング愛好家。そのうちの35%が公式マラソンレースに参加しているという(2016年調査)。2014年には17%だったのが、わずか2年間で倍増。仏スポーツレジャー産業協会(Fédération française des industries sport et loisirs、以下FIFAS)の調査よれば、フランスのランニングシューズ市場は年間5億ユーロ(日本円で約650億円)で、年間約820万足を売り上げている。ウェアと併せると約8億5千万ユーロ(約1,105億円)となり、サッカー市場の2倍の売上となる。その巨大市場でナイキ、アディダスと並んでトップ3ブランドに君臨しているのが、日本のアシックスだ。FIFASの調査によれば、フランス人のランニングシューズ一足の予算は平均66ユーロ(約8,580円)、対してアシックス社の主力モデルである「ゲル(Gel)」シリーズのランニングシューズは、安価なモデルでも100ユーロ(約13,000円)。フランスの一般消費者にとって、アシックスは「ハイブランド」に属するのだ。それにもかかわらずシェアを伸ばしている理由には、まず同社がフランス陸上連盟とオフィシャルサプライヤー契約を2013年より継続して結んでいることが挙げられる。この契約によって、アシックスのロゴを一般の人たちが目にする機会は格段に増え、徐々にブランド認知を高めてきた。一方で、フランスにおいて技術面で信頼される「日本のシューズ」というブランド力に加え、同社が躍進した理由は他にも考えられる。それはタウンユースのスニーカーとしても通用するデザイン性が注目されたこと、さらには同社の多角的な販売戦略にある。

セレクトショップが注目したデザイン性と、緻密で多角的な販売戦略

アシックスはランニングシューズ市場以外にも、スポーツウェアが引き続きトレンドのファッションの世界でも健闘を見せている。高級ブランドや著名デザイナーの商品を中心に取り扱うパリのセレクトショップが、2017年の夏頃よりアシックスの「ゲル」コレクションをフィーチャーし、ファッションに敏感な層からの支持を得ることに成功。同社で元々ストリートファッションとして定評があったオニツカタイガーではなく、スポーツ仕様のゲルが注目されているのである。さらに同社は2018年2月に新進デザイナー、キコ・コスタディノフとのコラボレーション作「ゲルバーズ1(GEL-BURZ 1)」を発表。同社の従来モデルにあった2つのシューズを掛け合わせ、機能とデザイン性を同時に備えたシューズを完成させた。また、同社が同じフランス国内でも、地域によってマーケティング戦略を変えてきたという点にも注目したい。1996年にはフランス現地法人の拠点をパリ近郊から南仏のモンペリエへと移転し、その地理的利点をいかしてポルトガルやスペイン、北アフリカ地域への販売ルートを順調に広げてきた。データドリブン・マーケティングにより各地のニーズに合った戦略を立て、海外進出を成功させた好事例といえるだろう。

参考URL:
https://www.youbuyfrance.com/medias/press/_20161117_cf_brochure_jpn_a3_1_asics_20_12_16_01_41.pdf
http://www.leparisien.fr/magazine/grand-angle/le-parisien-magazine-le-running-un-business-en-or-16-12-2016-6455259.php
https://www.capital.fr/economie-politique/adidas-nike-asics-les-equipementiers-sont-passes-a-l-ere-du-high-tech-1038484
https://www.vogue.co.jp/fashion/interview/2018-03-kikokostadinov/page/2

支持されている背景・理由

ブランド認知の高まりと、ファッションとしての付加価値

2013年以降、継続してフランス陸上連盟とオフィシャルサプライヤー契約を結んでいることで、同社のロゴの露出度が徐々に増え、スポーツシューズのブランドとしての地位を確立してきた。また、最先端の流行を発信するパリのセレクトショップが立て続けに同社のシューズを取り上げ、新進気鋭のデザイナーとのコラボレーションを行うなど、そのファッション性からも注目されたことも大きく影響している。

フランス人にうける3つのポイント

1.ランニングブームによる需要の増加と市場シェアの拡大

フランスのランニングシューズの売り上げは年間約820万足、5億ユーロ(日本円で約650億円)。アシックスはこのブームにうまく乗り、この巨大市場において着実にシェアを広げてきた。

2.「日本ブランド」への信頼とファションとしての付加価値

フランスで定評ある、日本の技術を駆使したシューズというブランド力が、クオリティを求める人たちから信頼を得ている。またトレンドに敏感な層から注目されたことでファッション界でもブレイクし、ブランディングを高めるきっかけとなった。

3.綿密で多角的な販売戦略

新拠点の南仏という地の利を活かし、フランス国内はもとよりポルトガル、スペイン、北アフリカなど地域別の細かいニーズに合わせた販売戦略を立て、それぞれのローカルの需要を満たすことに成功した。

スポーツシューズとしての機能性はもちろんのこと、洗練されたファッションセンスを誇るフランス人にも支持されるデザイン性を兼ね備えた、アシックス社のシューズが人気を博している理由、わかりましたか。今後も進化続けるであろう、スポーツシューズ。機能性、デザインともにどんなシューズが生まれるのか楽しみですね。

 

グローバルママ研究所
世界35か国在住の200名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2017年12月時点)。企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。