マーケティングストーリーラボ(MSL)

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【ロシアのマーケティング事情】モスクワで話題を集めるスイーツ店のSNS活用法&新サービスとは?

こんにちは。世界のママを研究しつくす!「グローバルママ研究所」のNanaです。
ワールドカップの盛り上がりも記憶に新しいロシア。世界中から注目を浴びた一大イベント効果もあり、モスクワでは外食産業がさらなる変化を遂げつつあるそうです。
「肉料理に芋の付け合わせ」という旧ソ連時代にあったロシア料理のイメージは、もはやはるか遠い昔の話で、ロシア旅行を楽しむ旅行客のSNSを見てもわかるように、おしゃれなレストランやカフェが増えています。そして今、モスクワであるスイーツ店が注目されているのだとか。話題を集めているスイーツ店SNS活用法と新サービスを覗いてみましょう。

ワールドカップ後、外食文化が急成長を遂げているモスクワで、あるスイーツ店が話題になっている。インスタ映えする持ち帰り用のコーヒーカップ、おしゃれな店内、美しいスイーツというヒット要素に加え、今までになかった新しいアイデアで10代後半から30代前半までのSNS世代に特に支持されている。今回はこの人気スイーツ店を通して、ロシア人の心を掴んだインスタグラム活用法を紹介する。

商品・プロモーションの概要

インスタグラムを駆使し、モスクワっこの心を掴むマーケティング手法

ソーシャルメディア・コンサルティング企業「We Are Social」によると、世界中でインターネットのアクセス時に使用されている言語において、ロシア語は第二位なのだとか。WEBを使ったマーケティングに各国の注目が集まっている昨今だが、それはロシアでも同様。そんなロシアで今、インスタグラムを利用したマーケティング手法で飛びぬけて注目されているのが「ヤガドノエ ・アブラカー(ягодное облако)」というスイーツ店だ。“ベリーの雲”という意味を持つこちらのスイーツ店は、商品クオリティの高さはもちろん、インスタグラムを使ったケーキオークションが特徴。とにかくロシア人は性別を問わずギャンブルが大好きな国民性で、スポーツや政治までもが公式に賭けの対象になるほど。このケーキオークションは隔週金曜日に行われ、ホールケーキが定価よりかなり安く手に入るということで、特に“花金”を勝利でおさめたいビジネスウーマンやママたちの間で大盛り上がり!また、同店の持ち帰り用コーヒーカップも注目を集めている。毎回デザイナーを起用し最新トレンドを反映したカップが登場するとあって、おしゃれなモスクワっこたちがこぞってこのカップを持って撮影したセルフィーをインスタグラムへ投稿している。さらにユニークなのは、スイーツのデリバリー方法としてなんと一般タクシーを利用していること。店のスタッフを配達要員にする必要がなく、店の忙しさに関係なくいつでも配達する事ができる効率的な方法だ。電話やオンラインチャットで配達希望時間と住所を伝えると店がデリバリーを手配、配達料はタクシーの片道運賃のみで、ケーキ配達時に現金かカードでタクシー運転手に直接支払うスタイルだ。ロシアのタクシーは比較的安いため、同じ地域なら100 ルーブル(200円)ほどで頼むことが可能で、忙しい会社員や車がない人などにとっても、ケーキがリーズナブルな配達料で届けられるのはありがたいシステムなのである。

生活水準が上がったモスクワで、“ご褒美習慣”を提案!

今までロシアでは、ケーキといえばお誕生日などに食べるホールケーキが基本だった。近年の発展によりモスクワの生活水準も上がり、ミレニアル世代に向けた新しいスイーツのあり方が確立されはじめている。そこにいち早く目をつけた「ヤガドノエ ・アブラカー」では、イベントに関係なく自分へのちょっとしたご褒美としていただけるおひとり様用スイーツを提案。一人用サイズのスイーツは1個150〜250ルーブル(日本円で約300〜500円以下)と手が出しやすい価格帯になっているのも、“ご褒美習慣”を受け入れやすくした理由の一つだ。「We Are Social」の統計によると、インスタグラムを一番利用しているのは18〜34歳で、勉学に励む学生や、バリバリ働く会社員、または家事や育児に忙しいママたちなどが中心。このターゲット層に合わせた、大きなガラス窓が目立つスタイリッシュな店内でいただくちょっとだけ高価なおしゃれスイーツが、日々の喧騒を少しだけ忘れさせてくれる特別な習慣となっているようだ。

参考URL
https://wearesocial.com/uk/blog/2018/01/global-digital-report-2018
https://www.ягодноеоблако.рф
https://www.instagram.com/yagodnoe_oblako/

支持されている背景・理由

ブランディングを確立し、新しい世代へのビジネスモデルへ

BRICs(ブリックス)の一国として発展し、ワールドカップを経て、さらなる発展の可能性を秘めた大国ロシア。生活の質に目を向け始めた世代に、新しいサービスが必要とされている。今までになかった自分への“ご褒美習慣”をいち早く提案し、店のブランディングを確立したこのスイーツ店は、新しいビジネス・ロールモデルの一つとなりつつある。

ロシア人の心をつかむ3つのポイント

1.トレンドを反映したカップとケーキオークション

おしゃれなモスクワっこがセルフィーをインスタグラムに投稿したくなる洗練されたデザインのカップ、またケーキオークションという目新しさが、おしゃれでギャンブル好きロシア人女性のツボにハマった。

2.一般タクシーを利用するという効率的なアイデア

一般タクシーを使うことでスタッフを配達要員にする必要がなくなり、デリバリーの効率化を可能に。忙しいモスクワっこにとっても、料金が安い一般タクシーのデリバリーは気軽に利用しやすい。

3.今までになかった“ご褒美習慣”の提案

生活水準が向上したロシアで、今までになかった自分への“ご褒美習慣”をいち早く提案、店のブランディングを確立。新しいビジネスの一つになりつつある。

 

さまざまなオークションがあるなか、ケーキのオークションとはとても斬新な考えですね。定価より安く手に入る可能性があるなんて、スイーツ好きな女性にはたまらない魅力ではないでしょうか。
また、スイーツをタクシーでデリバリーするという効率的なアイデアには驚かされます。お店側は配達要員の人件費がかからず、ユーザーにとっては安価なタクシー代のみで配達してもらえるということで両者にとって嬉しいサービスですね。
今どきの消費者のニーズを巧みにとらえたマーケティング手法、是非参考に。

グローバルママ研究所

世界35か国在住の200名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2017年12月時点)。企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。