マーケティングストーリーラボ(MSL)

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豪州発フォロワー53万人!ビーガンレシピで人気のインフルエンサーから学ぶマーケティングのヒント

こんにちは。世界のママを研究しつくす!「グローバルママ研究所」のNanaです。
欧米では、一大マーケットとして定着した感のあるビーガン。背景として、近年の環境や動物愛護に対する意識の高まりももちろんありますが、セレブやインフルエンサーのあいだで流行ったことにも起因するようです。ひと昔前の堅苦しい、取っつきにくい印象がなくなり、身近な存在となりました。日本でも、珍しい野菜や彩豊かなフルーツを扱った自然食レストランやサラダバイキングがあるお店などをよく見かけるようになりましたね。ところかわって、オーストラリアでは、ある女性が始めたビーガンレシピがフォロワー53万人にまで成長しているとか。
今回は、その女性がどのようにしてビーガン料理を提供することになったのか、どのようなマーケティング手法を用いて人気を得たのか、チェックしてみましょう。

最近、オーストラリアのソーシャルメディアをにぎわせているとあるインフルエンサーがいる。シドニー在住のコンサルタントのタリン・ガブリエリアンさん。
経営する「ヒッピーレーン(Hippie Lane)」が考案した、火を通さない鮮やかなビーガン料理が好評だ。インスタで紹介するレシピが瞬く間に広がり、今ではフォロワー数はなんと53万人!今回は、ビーガン料理界で大人気のインフルエンサー・タリンさんがどのようにしてレシピを提供することになったのか、また、どのようなマーケティング戦略を行ったのかを探ってみたい。

商品・プロモーションの概要

自らの食品アレルギーの問題がきっかけでレシピを考案

タリンさんは、オーストラリア生まれ。アルメニアのバックグラウンドを持ち、幼いころから家庭では母親の作る伝統的なアルメニア料理を食べていた。しかし成長するにしたがって、自分が乳製品、麦、卵、大豆にアレルギー体質であることを自覚したタリンさんは、2011年に自らのためにアレルギーを引き起こさない食事を考案し始め、約3年かけて独自のレシピを確立した。そして、自ら作ったケーキなどをシドニーにあるカフェDose Expressoに卸し、タリンさんの夫が経営するコーヒー会社Ritual Coffee Traders のメニュー作りも担当するようになった。作ったレシピを2013年にインスタグラムに初投稿したところ、最初についた「いいね!」は354。その後4か月で約3倍の1,000以上に。その後も「いいね!」数もフォロワー数も増え続け、現在のフォロワー数は53万人にものぼる。使ったハッシュタグは、#vegan(ビーガン)、#organic(オーガニック)、#dairyfree(デイリーフリー=乳製品不使用)、#glutenfree(グルテンフリー)、#sugarfree(シュガーフリー)、#paleo(パレオ=旧石器時代の食事がコンセプトのダイエット法)など。ただし、ハッシュタグを使ったのは最初の4か月のみで、フォロワーの数が8万人を超えた時点で、タリンさんは自分のレシピの需要を意識したそうだ。つまり、そこで商機を感じ取ったということになる。

ビーガンやアレルギー対応食品の需要と、自然食材へのこだわり

タリンさんは、現在でも夫が経営するカフェGabriel Coffeeのために、ビーガン料理など一部のメニュー作りを担当しているが、2015年からは有料アプリにてレシピ提供も開始し、これまでに10万回以上のダウンロードを記録した。さらにソーシャルメディアを活かしたマーケティング戦略が功を奏し、2017年には会社と同名の『Hippie Lane』という料理本を出版するまでに!ビーガンやアレルギー対応の食品がここまで注目されること自体、日本ではあまり考えられないことかもしれないが、ここオーストラリアではとにかく食品アレルギーの人が多いという背景がある。レストランでもそうしたニーズを受け、ビーガン、ベジタリアン、グルテンフリーのなどの料理をメニューに載せることが一般的で、スーパーマーケットなどでも食品成分表にはどのようなアレルギーに対応しているかが明記されている。タリンさんのレシピは、化学調味料などを一切使わない自然食材を使っており、栄養価も高く、安心して食べられる。驚くことに、料理に使われているカラフルな色まですべて天然成分で、合成着色料不使用。たとえば青はスピルリナから、緑は抹茶からといった具合で、ヘルシー志向な層にもアピールしている。

参考URL:
https://www.instagram.com/talinegabriel/
https://hippielane.com.au/
https://www.naturalhealthmag.com.au/content/story-taline-gabrielian-food-family-and-staying-vital
https://www.smartcompany.com.au/marketing/social-media/twentyentrepreneurs-to-follow-on-instagram-in-2017/
https://www.dailymail.co.uk/femail/food/article-5327065/Hippie-Lane-founder-reveals-makes-food-rainbow.html
https://www.broadsheet.com.au/sydney/food-and-drink/calibrate

支持されている背景・理由

アレルギー対応の食品提供と、視覚に訴えるソーシャルメディア活用術

オーストラリアでは、特定の食品にアレルギーを持つ人や、健康に気を配るヘルシー志向の人が多い。それに加え、欧米セレブを中心とした近年のビーガンブームにより、『Hippie Lane』で紹介されるビーガンレシピへの需要が高まっていると考えられる。タリンさんが考案する料理はまずインスタで紹介されるが、自然食品を使い栄養価が高いという解説があるだけでなく、パステルピンクを基調にした写真も掲載されており、視覚的にもおしゃれで魅力的だという特徴がある。それに加えて、インスタには料理やレシピ以外にも、子どもやペットなどの日常生活の写真や、旅行中に撮影した美しい風景写真も投稿、さらには健康的なライフスタイルまで提案。こうした視覚に訴えるインスタ活用術によって、厳格なビーガンはもとより、一般のヘルシー志向の人をも惹きつけているようだ。

オーストラリア人の心をつかむ3つのポイント

食品アレルギーの人だけでなく、一般の人にとっても魅力的

タリンさんの考案するビーガンレシピは、食品アレルギーの人を対象にしているが、近年のセレブを中心としたビーガンブームも手伝って、一般の人にまで幅広く受け入れられている。

インスタに美しい写真を載せ、視覚に訴えるマーケティング

ソーシャルメディア/インスタを利用し、レシピとともにパステルピンクを基調とした画像をたくさん掲載。自作料理だけでなく、日常生活や旅行の写真などのおしゃれなライフスタイルも紹介し、視覚に訴えるマーケティング手法を用いている。

徹底した自然食材使用によって、ヘルシー志向をアピール

タリンさんのレシピには多くの鮮やかな色が使われているが、合成着色料などは一切使わず、すべて自然食材を使用している。こうしたヘルシー志向のコンセプトが多くの共感を呼んでいる。

 

ビーガン料理というと、野菜ばかりで色合いも緑ばかりなのかな?と思いがちですが、緑以外の鮮やかな色を使い、視覚にも訴えかけるマーケティング手法を用いているのはさすがです。アレルギーの子どもを持つ母親にとっても、ビーガンの人にとっても、自然食材を使って、栄養価も高く、安心して食事を楽しめるということはとても嬉しいこと。日本ではまだまだビーガンに対応したレストランやメニューなどは少ないですが、今後東京オンリピックを見据え、訪日観光客が増えるなか、日本でどのようにビーガン対応レストランやメニューが増えるか楽しみですね。

 

グローバルママ研究所
世界35か国在住の200名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2017年12月時点)。企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。