マーケティングストーリーラボ(MSL)

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ヒントは大雑把?トップ老舗子ども用品店から学ぶロシアマーケティングのヒント

こんにちは。世界のママを研究しつくす!「グローバルママ研究所」のNanaです。
いまや私たちの生活に欠かせない、オンラインショッピング。ほんの20年前まで、自分の目で見て買えないショッピングなんて流行るわけないと、たかをくくっていましたが、Amazonをはじめ、急速に成長し続けるネット上でのショップには驚くばかりです。一方、実店舗の売上は減少。他店との競争だけでなく、無数にあるネットショップに対抗するため、あれやこれやと差別化を図るための戦略策定・実行に各社必死です。既存店舗をもつ企業も、ネットショップに参入していますが、やはり餅は餅屋。なかなか苦戦している企業が多いと聞きます。そのようななか、ロシアの老舗子ども用品店は国民の気質を利用したマーケティングで変わらず人気を維持していると話題になっているようです。今回はそんなロシアの老舗子ども用品店から学ぶマーケティングのヒントを紹介します。

ソ連時代から続く、ロシア人なら誰でも知っている老舗子ども用品店。今やたくさんのお店がひしめく中、どのように人気を維持しているのだろうか。ウェブやダイレクトメールを駆使したマーケティングで、ロシアとともに変幻自在に変化する大企業を通して、ロシアママを虜にする秘訣に迫る。

商品・プロモーションの概要

大陸気質に合わせろ!ぱっと見重視のマーケティング

老舗子ども用品店のジェットスキー・ミール(Детский Мир)は、子ども用品部門で国内トップを独占。フォーブス・ビジネスマガジンが発表したロシア経済を牽引する企業トップ200入りも果たした。今やロシアだけではなく、カザフスタンにも進出。181都市に488店舗を展開する。本店はモスクワ中心部にある。子ども関連の用品を取り扱う101店のほか、レストラン22店が入った子ども用品のデパートだ。本店は顧客が高所得者層をメインとしており、ヨーロッパ製のおもちゃを多く取り扱い、単価も高めだ。一方で、その他の店舗はおもちゃや服も国産の自社ブランドを中心に販売。価格を低く抑えている。セールも週替わりで行われ、本店にはないワゴンセールは掘り出し物を見つけるビッグチャンスだ。また、デジタル化した現代では欠かせないウェブサイトも見やすく好評である。ぱっと見ただけで必要な情報を手に入れることを好むロシア人。国民性を考慮したウェブサイトはサイズ別在庫数や在庫の保有店舗、口コミ、素材が1ページに要約されている。必要情報を別ページから探す必要がなく、子育てのすき間時間にさっと注文できるスマートさが好評だ。2日に1回という頻度高く配信されているメールもぱっと見作戦でまったく苦にならない。メールは画像と割引率の文字のみ。30秒ほどで目を通すことができるので忙しいロシア人ママにはありがたい。

顧客を知り尽くした老舗ならでは!ロシア人ママに寄り添ったサービス

共働きが多く、忙しいロシア人ママたちに合わせた「60分受け取りサービス」も注目を集めている。オンラインで注文時に同サービスを選ぶだけ。注文から60分以内に実店舗のレジで商品を受け取ることができる。特に、仕事や育児で忙しく時間が限られたママたちに高く支持されている。このサービスは実は、在庫が少ない商品の予約システムとしても活用できる。最大3日間の取り置きが可能だ。さらに、ネットでのリボ払いを子ども用品店初として取り入れたこともさらなる集客につながっている。ロシアではクレジットカード利用者がここ数年で増加傾向にあるが、リボ払いができない店舗が多かった。そのようななか、ジェットスキー・ミールはリボ払いシステムRЕВО(レボ)と提携。パスポートとスマートフォンが手元にあれば、1分ほどで手軽に登録ができる。マタニティの時期や、出産直後の物入りのママたちはまとめてベビー用品をそろえることが多い。そのようなシーンでも、このシステムが活躍している。ロシアの国民金融調査局によると、国民の約36%が銀行預金などの蓄えを持っていないという。「今」に重点をおいてお金を費やす国民性をうまく利用した戦略が功を奏しているようだ。

参考URL
http://www.forbes.ru/profile/245139-detskiy-mir
http://cdm-moscow.ru/shops
https://revo.ru

支持されている背景・理由

ロシア人ママを知り尽くしたマーケティング

貯金せず、「今」にお金を投資し、一気に買い物をすることが多いロシア人。国民気質に合わせた新しいリボ払いサービスや、ぱっと見重視の大国気質に合わせたメールやサイトを提供している。ロシア人を知り尽くしたマーケティングが長く愛される要因だろう。

ロシアママの心をくすぐる3つのポイント

1.地域ごとの客層に合わせて店舗を変化

客層に合わせた商品の展開やレイアウトで、各店舗のブランディングを確立。経済格差が激しいロシアで、幅広い層のロシア人ママを魅了している。

2.ぱっと見重視のメールとサイト

文字量は最小限で見やすいメールやサイトは大雑把な気質のロシア人を飽きさせない。

3.分割払いサービスで一気買いのハードルを低く

子ども用品店初となる分割払いサービスを導入。貯金しないロシア人の「今欲しい!」をうまく刺激している。マタニティーハイや産後ハイ、孫フィーバーを取り込む戦略だ。

 

ロシア人気質をばっちり把握している老舗ならではのマーケティングで、各店舗のブランディング、リボ払い導入、ぱっと見重視のメール案内など、ロシア人ママに寄り添ったアプローチはお見事。人気なのも納得できます。現地のニーズをうまくとらえたマーケティング手法、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

グローバルママ研究所
世界35か国在住の250名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2019年4月時点)。企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。