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紙媒体はオワコン? 元紙媒体編集者が語る今後のメディアの未来とは?

こんにちは。春から新生活をスタートされた方も多いと思いますが、新しい環境に少し慣れてきた頃でしょうか? そして、4月の通勤電車はなぜかいつもより混み合う気がします、どうしてなのでしょうね? さて、その通勤電車ですが、皆さん乗車中は何をされていますか? 今はスマホやタブレットを見ている人がとても多いですよね。新聞や本を読んでいる人はとても少なくなりました。今回は、そんな紙媒体と電子媒体のお話です。

そもそも紙媒体とは?

紙媒体とは「情報が紙に印刷されたもの」で、新聞や書籍、雑誌、カタログ、チラシなどのことです。媒体のことは「メディア」とも言いますね。非常に歴史が古く、紙や印刷の発明とともに発展してきたメディアです。そして、私たちが「紙媒体」と言うとき、おそらく自然と対になって思い浮かべるのが「電子媒体」「Webメディア」と呼ばれるものです。

一方、電子媒体ってなに??

「電子媒体」は、ホームページやオンラインマガジン、SNSなどのWebメディア、Kindleなどに代表される電子書籍やPDFなど、情報がデジタル化されたものの総称です。パソコンやインターネットの発展、スマホやタブレットなどの普及とともに、瞬く間に私たちの生活に身近なものになりました。そして、こうしたWebメディアの登場とともに、「将来、紙媒体はなくなるだろう」といった話を耳にすることが多くなりました。Webメディアは紙媒体より優れているのでしょうか? 紙媒体とWebメディアの違いは何か。次に紙媒体のメリット、デメリットを見ていきましょう。

紙媒体のメリット・デメリット

メリット

  • 一覧性の高さ

紙媒体のメリットといえば、まず「一覧性」があげられます。ページを見渡して、どこに何の情報があるかを見つけることができます。新聞や雑誌など、パラパラとめくって全体を見て好きな記事・気になった記事から読むという人が多いのではないでしょうか?

  • 信頼性の高さ

イメージ的なものも含め紙媒体にはWebにはない信頼度があります。紙媒体とWebメディアではコンテンツ制作の過程も異なります。紙媒体は発行後に修正しづらいという特徴もあり、ライター、編集者、発行責任者と多くの人のチェックが入るため、客観性と信頼性につながっています。

  • 保管性、記憶への定着力

書籍や雑誌は物理的に手元に残ります。すぐに読まない場合でも買っておけば後で目を通すことができます。また数年、数十年、それ以上保管することも可能です。Webメディアではサイトが行方不明になることもしばしば、、繰り返し読める、そして記憶に残りやすいのも紙媒体の特徴です。

  • 手触り、五感への訴求

実際に触ることのできる紙媒体は、その「紙」の質感自体もひとつの魅力です。編集者は媒体を作成するときどんな紙にするかということも検討しています。和紙と光沢のある紙では持ったときの印象が違いますよね。また、手帳であれば書きやすさ、辞書であれば薄くて丈夫な紙と、媒体によって求められる紙の特徴も異なります。

デメリット

  • 即時性

紙媒体とWebメディアの大きな違いのひとつが即時性です。印刷という工程をもたないWebメディアは、速報として情報発信することに非常に優れています。

  • 情報量の制限

次に、紙媒体は情報量が制限されます。紙のサイズによって1ページに掲載される量は必然的に決まってくるため、文字数をはじめ画像や図表のサイズなど、何を掲載するかの取捨選択が必要になり、コンテンツの「編集」が重要になります。その点、Webコンテンツは極端な話、どれだけ膨大な量になっても逆に少なくても、更新することが可能です。

  • 修正の難しさ

先にもお伝えしましたが、紙媒体は一度発行すると簡単には修正できません。Webのようにその都度、更新日を変更して内容を修正することはできず、一度人の手に渡ってしまうと訂正情報を届けることは非常に困難です。しかし、この修正の難しさが「信頼」に繋がっているとも言えます。

  • 情報拡散力の低さ

拡散性もWebメディアとの大きな違いです。特にSNSは拡散力のあるメディアです。ひとつの記事が一瞬で、数万・数十万の人に届くこともWebメディアの大きな力です。一方で紙媒体は、電子デバイスを持たない人へ回覧することが可能という特徴はありますが、一度に拡散する力は弱いメディアと言えます。

紙媒体は衰退するのか?

引用元:http://www.ajpea.or.jp/statistics/

次に、紙媒体の置かれている現状をみてみましょう。出版不況と言われ始めてからかなりの年月が経ちますが、1996年、1997年ごろをピークに書籍、雑誌の売上げは下がり続けています。また、日本新聞協会の発表によると、2000年に5千3百万部を超えていた新聞の発行部数は、2017年には4千2百万部まで落ち込んでいます。
老舗と言われる新聞・雑誌の廃刊のニュースに驚くことも珍しくありません。こうしたニュースに時代を感じて寂しさを感じる人もいるのではないでしょうか?

米ニューズウィーク、紙媒体を廃止へ 電子版のみ継続
https://www.cnn.co.jp/business/35023265.html

また、先日は2017年の広告費が発表され、インターネット広告費は前年比115.2%で4年連続二桁成長という結果となっています。マーケティング予算の配分平均が、デジタル3.9割、アナログ3.3割、マスメディア2.9割という調査データもあり、マーケティング分野でもデジタルへの投資の方が高くなっています。
このまま紙媒体は衰退するのでしょうか? 実は、こんなデータもあります。2015年の日本製紙連合会の調査では、約8割が「書籍」「雑誌」「漫画」は今後も「紙で読みたい」と答えており、クロス・マーケティングの2017年のアンケートでも、読書離れは進んでいるものの読書手段そのものは紙の書籍が9割以上となっています。
また、2017年5月にアメリカ合衆国郵便公社(United States Postal Service)から、「ミレニアル世代※にDMの影響力が大きい」という興味深い調査結果が発表されています。90%が「DMは信頼性がある」と回答、87%が「DMを受け取ってもよい」、57%が「DMを見て商品を購入したことがある」と答えているのです。これはアメリカの調査結果ですが、DMもまだまだ有効な方法として見直せることが分かります。

※ミレニアル世代:主に2000年代に成人あるいは社会人になる、1980年代から2000年代初頭までに生まれた世代の総称。
参照:
日本新聞協会 新聞の発行部数と世帯数の推移  http://www.pressnet.or.jp/data/circulation/circulation01.php
電通 2017年日本の広告費 http://www.dentsu.co.jp/news/release/2018/0222-009476.html
日経BPコンサルティング 「デジタル・アナログ領域のマーケティング施策実態調査(第2回)」 https://consult.nikkeibp.co.jp/info/news/2016/1114dam/
日本製紙連合会 ビジネスパーソンの紙媒体とデジタル媒体の利用に関する意識・実態調査 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000016567.html
クロス・マーケティング 読書に関するアンケート(2017年版) https://www.cross-m.co.jp/news/release/20171024.html
Still Relevant: A Look at how Millennials Respond to Direct Mail https://www.slideshare.net/ThadLee1/still-relevant-a-look-at-how-millennials-respond-to-direct-mail

紙媒体の今後

さて、紙媒体とWebメディアの特性や現状を見てきました。皆さん紙媒体は衰退すると思いますか? 私個人としては、やはり紙媒体は今後も残っていくだろうと考えています。またWeb全盛のいま、紙媒体は逆にプレミアムな存在になりつつあると感じています。デジタル活用が進んできたからこそ、紙媒体の効果的な利用方法が見えてくることもあるのではないでしょうか。マーケティングにおいても「デジタル×アナログ」施策が注目されています。紙媒体とWebメディア、それぞれのメリット・デメリットを理解したうえでコンテンツによってより適した媒体を選択することが重要です。また、それぞれの特性をうまく見極め、より効果的な媒体の組み合わせが発見できるかもしれませんね。

 

デジタル×アナログのマーケティング施策については下記もご覧ください。
オンラインからリアルでの行動へと促す 「O to Oマーケティング」
これからのチャネル戦略とは? 世界最先端のマーケティングを読んだあの方に聞いてみた

 

ishi
元編集ディレクター。2017年秋よりマーケティング部に異動してマーケティングストーリーラボ編集長に。慣れないマーケティング用語に悪戦苦闘中です。