マーケティングストーリーラボ

CONNECT THE STORIES, TO LIVE AND LONG ENGAGEMENTS “生きたStoryを感じる”「場創り」と「コンテンツ創り」

ペルソナ設定のレシピ~具体例とともに~【サンプルDL付】

こんにちは、靏太朗です。暖かい気候となりまさに「春眠暁を覚えず」の季節といったところでしょうか。お昼ごはんを食べた後の会議中はついウトウトと…最近はシエスタの制度を導入している会社も多いようですが、みなさまのところはいかがでしょうか?ちなみに「春眠暁を覚えず」の本当の意味は昼間のウトウトする睡魔のことではないのであしからず。
話は変わりますが、今回はマーケティングの現場で耳にする機会もふえた「ペルソナ」についてペルソナ設定の方法とともにご紹介していきます。

ペルソナとは

「ペルソナ」とは、サービスや商品を購入するような典型的な人物像、顧客像のことを指し、マーケティング関連で活用される概念です。プロフィールをベースに個人の行動や価値観、ライフスタイル、ライフステージなどをかなり具体的に設定していき、あたかもその人物が存在しているかのような一人の架空の人物=「ペルソナ」を想定し、マーケティング施策へと活用していきます。

ターゲットとは

一方、マーケティング関連で似た概念として「ターゲット」があります。ターゲットは、サービスを利用するであろうユーザーのことを表します。
ターゲットの設定には

 

  • 年代、性別、在住地域、職業、年収といったようなデモグラフィック(人口統計的属性)
  • 在住地域、地域特有の気候、人口密度、文化というようなジオグラフィック(地理学的属性)

 

などをもとに、想定したサービス利用ユーザーに対してセグメンテーション(属性を似たようなグループに分けること)を実施します。このようなセグメンテーションからターゲットを設定し、ターゲットユーザーの特性やニーズをくみ取り、狙ったターゲットに対して有効なマーケティング施策を実施していくことになります。
では、ターゲットとペルソナは何が違うのでしょうか?
端的に言ってしまえばターゲットは「ひと塊の消費者群」であり、ペルソナはターゲットの内、性別・年齢、ライフステージ、ライフスタイル、価値観、これまでの人生経験、悩み、こだわり、大切にしていること、今後実現したいことなどを把握・類推し、あたかも実際に存在するかのように詳細に描いた人物像のことを指します。つまり、ターゲットというひと塊の消費者群からさらに踏み込んで、生身の人間を描き出す像こそがペルソナと言えるでしょう。

ペルソナ設定の必要性

ここまで「ペルソナ」についてご紹介していきました。ところで、そもそもの話にはなりますが、ペルソナの設定は必要なのでしょうか?今まで通り、ターゲットから有効なマーケティング施策を実施していけばいいのではないでしょうか?たしかに、かつてのような大量生産、大量消費を前提とし、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌のようなマスのメディアが主流の時代、いわゆるすべての消費者、多くの消費者に向けたマス・マーケティングの時代においてはターゲットをもとにしたマーケティング活動で十分と言われていました。ところが、市場とともにユーザーの嗜好性が多様化している現代においては、より消費者に合わせた、ライフスタイル・ライフステージというストーリーを意識したマーケティングが重要視されているのです。顧客ニーズの多様化や情報流通の分散化にともない、マーケティングにおいてもこれまでの“数”の勝負から、”質”の勝負へと変化しています。つまり、企業目線の”売上・数値”から、マーケティングを考えるのではなく、”個客”に向けたマーケティング活動が必要となり、そうした消費者のストーリーを把握・理解するためにも「ペルソナ」の設定が重要視されてきているのです。

ペルソナ設定のメリット

さて、先ほどのお話でペルソナ設定の必要性を認識したところで、実際にペルソナを設定したときのメリットをご紹介したいと思います。

1.ユーザーのニーズを理解できる

やはり、なんといってペルソナ設定においてのメリットにあげられるのはユーザーニーズを深く理解することができる点にあるでしょう。たとえば広告を打ちたいとき、ペルソナを設定することでペルソナの趣味思考や考え方を把握していれば、「何を」「いつ」「どのタイミングで」訴求すれば相手に”刺さる”広告となるかがわかり、戦略の決定にも役立ちます。

2.マーケティング方針を統一できる

ペルソナ設定をすることでチーム内、グループ内で誰に対してマーケティング施策を講じるのか、という点で共通認識ができるようになります。日々の業務の中である日ふと、あれ、今やっている施策は何のためにやっているのだろう?と疑問を抱くときがあると思います。そのようなときにペルソナを設定していると、自身の、チームのやっている施策が誰に対してどのような効果を狙っているのか、立ち返ることができるようになるのです。

3.共通認識を持ってコンテンツ作成ができる

先ほどの話に続きますが、社内でオウンドメディアを運用し、コンテンツマーケティングを実施しようとしている場合、コンテンツ作成者はチーム内で共通認識を持ってコンテンツ作成ができるようになります。実際に自社内でオウンドメディアを立ち上げ、社内で何人かで記事ライティングを実施する際、ペルソナを設定することで、各々がライティングした際にずれがなくなり、オウンドメディアのコンセプトからも外れにくくなっていけるのです。

ペルソナ設定のやり方

さて、お待ちかねではございますが、いよいよ本題になるペルソナ設定の手順についてご紹介していきます。おおまかにいうと3つのステップがありますので、順番にご紹介していきます。

1)データ収集を行う

ペルソナ設定の際、ざっくりとしたターゲット層はあらかじめ決まっていることでしょうから、そのターゲット層に対してインタビューやアンケート調査を行います。調査の対象は必ずしもユーザーに限らず、たとえば担当の営業チームや社内にターゲット層になりうる人物に尋ねてみるなどしてみるといいでしょう。また、社内でインタビューを実施する際には、人事総務部や経理部など、自社のサービスと直接的にかかわらない方にインタビューすることで、よりユーザーに近い素直な意見を聞くことができます。あらたにアンケート調査を実施する工数がない場合、すでに公開されているアンケートの結果や分析結果を参考にすることもおすすめです。その際は、データの信憑性やいつのデータであるのか、客観的に既存の公開されている調査結果位に対して再度分析しなおしてみるといいでしょう。他にも、Web上のアクセス解析によって、どんな人がいつ、どのページにアクセスして、どんなものを見て、何をクリックして、何を買ったかというような行動や興味・特性を掴むことも大切です。たとえばGoogleアナリティクスなどの解析ツール事前に導入したり、DMPを活用したりすることで、実際にWebサイトを訪れたユーザーの特性を分析し、データ化することができるため、ペルソナ設定をするにあたって、とても有効なツールであると言えます。

2)基本情報の整理を行う

データを集めたら、次はペルソナを作る時の基本情報となる内容をリストアップしていきます。具体的な項目については後ほど記載しますが、年齢や性別、職業、日々の生活、興味関心、悩み、人生の目標、感情などがあるといいでしょう。さらに可能であれば、ペルソナの写真やイラストも用意しておくよりイメージがしやすくなるでしょう。
●項目例【ペルソナ設定に必要な10項目】
①基本情報(性別、年齢、居住地など)
②職業(大学・学部、仕事内容・役職、)、世帯年収、最終学歴
③人間関係(恋人・配偶者・子供の有無、家族構成)
④生活パターン(平日の過ごし方、休日の過ごし方)
⑤価値観、ものの考え方(性格)
⑥今課題と感じていることやチャレンジしたいこと(生活での実感)
⑦趣味や興味の対象(インドア派orアウトドア派、友人間での流行など)
⑧インターネット利用状況・利用時間
⑨新しい情報の入手方法
⑩所持しているデバイス

3)具体的な組み立てを行う

そうして、リストアップした情報を文章として組み立てていきます。より具体的で、ペルソナの人物像がイメージしやすくなるようにしましょう。ストーリーにしたり、エピソードを盛り込んだりすることもペルソナの設定には有効となるでしょう。

注意点)思い込みや希望だけを反映しない

これまでペルソナの作成方法についてご紹介しましたが、ペルソナ作成上注意したいのが、思い込みや先入観に頼りすぎないということです。数字で表すことができない「定性的」部分の要素の強いペルソナ作成では、元々持っているイメージや希望を対反映してしまいがちですが、作成者のイメージを反映しすぎては、実際に商品やサービスを購入する人物像とは大きなズレが生じてしまう可能性があります。正確で納得感のあるペルソナを作成するためにも、上記のアンケート調査や既存データのほかにもSNSやブログ、インターネット上の口コミなどからもデータを取り入れると良いでしょう。

具体事例

以上の作成例をもとに実際にペルソナを作成してみます。今回はネットスーパー・食材宅配を事業としている会社のマーケティング担当者になったつもりで、作成を進めています。

1)企画設計

まず、ペルソナ作成に向けて、おおまかなターゲット層はどこにするのか、企画設計を行います。社内でワークショップを実施し、新たなターゲット層を開拓していくのか、それとも既存のターゲット層の拡大を狙うのか、ゴール設計、調査手法を決定し、ペルソナ作成までのスケジュールを作成します。たとえば4月からプロジェクトがキックオフした場合、調査・分析まで含めると7月中旬までの期間に及ぶイメージをするといいでしょう。
●ペルソナ作成までのスケジュール例

2)調査

企画設計が終了すると、続いて調査を行います。ワークショップの結果から調査対象を抽出し、調査票を設計します。より詳細にペルソナを把握するときには、グループインタビューを実施したり、インターネットリサーチを利用したり、ターゲット層のライフスタイルなどを調査していきます。

3)解析・分析→ペルソナ作成へ

その後、集めた調査結果を解析、分析し、その調査結果をもとにペルソナ設計方針を決定し、ペルソナを作成していきます。今回は調査結果から40代女性がターゲット層になると仮定し、実際にペルソナを作ってみました。

上記サンプルとペルソナシートをダウンロードいただけます。ペルソナシートのダウンロードはコチラ

ここまでペルソナを設定できたら、あとはこの仮想顧客をどのようにマーケティングに生かしていくのか、という段階へと進みます。

BtoBでもペルソナの設定は必要?

これまでBtoCの製品・サービスに向けて記述しておりますが、BtoBでもペルソナの設定は必要なのでしょうか?BtoCの製品・サービスでは、消費者志向の考えが主流となってきています。一方BtoBでは販路が固定され、顧客数が少ないために営業マン自身がお客様を回る方法が有効であり、BtoC同等のマーケティングの必要性がまだないという考えが根強く残っているかもしれません。しかし、昨今、日本国内だけでなく海外から良質で低価格の類似サービスが参入してきており、危機感を感じているBtoB企業も多くなっているのではないでしょうか。ペルソナを設定する、しないは状況にもよりますが、BtoBであっても「人」が選定して「人」が利用することには変わりはありません。商品・サービスを利用する「人」を中心としたデザインはBtoCと変わらず重要となるでしょう。

最後に ペルソナは定期的に見直していきましょう

はじめに設定したペルソナが、そのまま未来永劫自社の商品・サービスのペルソナであり続けることはまずないでしょう。だからこそ定期的にペルソナ設定は見直していくようにしましょう。ビジネスの基本はPDCAサイクルにはなりますが、ペルソナ設定においてもそれは同じです。ペルソナをもとに何かしらの施策を実施したら、しっかりと成果となっているか、データをもとに分析しながら検証していきます。想定よりも効果が薄かったら、ペルソナが実際のユーザーとずれている可能性があるので、見直しをしていきます。これを繰り返していくことで、狙っていきたい顧客に対して最も訴求効果の高い施策を打っていけるようになるでしょう。

 

靏太朗
ゆとり世代どまんなか。詳細は機会があれば?紹介するが、要約するとふらふらしつつなんやかんやありながらも今はクライアントに向けたマーケティング施策を立案しています。好きな芸人は「三遊亭歌之介」