マーケティングストーリーラボ

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スペインでは知る人ぞ知るあのドリンク、80年以上の歴史を持つ老舗が愛される理由とは?

こんにちは。世界のママを研究しつくす!「グローバルママ研究所」のMaikoです。ここ数年、SNSを活用したマーケティングが台頭しているなか、消費者が商品を「パッと見」た時どんな風に感じるかということの重要性はどんどん高まっています。
今回は、スペインのとある飲料メーカーが題材。このブランドが国民に愛されるようになったマーケティング手法をご紹介します。ラベルを見ていただくとわかりますが、どこかの超有名飲料メーカーのロゴに似ていませんか?実際のところ、ロゴが類似しているから売れているとは断定できないものの、親しみあるあのロゴに似ていることで何らか人の心に印象づけているかもしれませんね。

とろーりとしたチョコラテにチュロス!おいしい!
スペインでは日曜日の朝、チュロスに濃厚なチョコレートをつけて食べる習慣がある。それほどカカオはこの国での需要が高い。歴史を紐解くと、チョコレートを甘い飲み物に変身させたのはスペイン人だと言われている。そんなスペイン17州のひとつ、カタルーニャ州の子どもなら知らない子がいないドリンクがある。チョコレートドリンク「Cacaolat(カカオラット)」である。一時はカカオ不足で危機を迎えたこのカカオラットだが、その発祥は古く、80年以上の歴史がある老舗だ。今では、類似製品が多く出回るほど、その味は庶民に愛され続けている。
今回は、スペインで誰もが知るチョコレートドリンクの先駆者カカオラットの人気の秘密にせまる。

チョコレートドリンクカカオラットとは?

カカオラットの誕生

バルセロナを州都とするカタルーニャ州で、ある男性のアイデアからカカオラットは栄養価の高い乳製品として誕生した。カカオとミルクが混ざった冷たいドリンクとして製品の特許を請求したのは1931年。現在のカカオラットのボトルに1933年と記されているように商品として正式に販売が始まってから80年以上もたった現在でもスペイン全土で愛されているドリンクである。発売当初から数十年にわたって瓶のボトルだったが、現在では安全で持ち運びに便利なプラスチックボトルや紙パックで販売されている。

ブランド存続はいかに?二度の危機を乗り越えて…

1936年と1950年、南北戦争のためにカカオ供給が不足し、カカオラットは生産不可能となったが、カカオ供給と共に生産を開始し、そのブランドが消滅することはなかった。濃厚なカカオの味をしっとりとしたミルクと混ぜた飲みやすい味で、牛乳嫌いな子どもでも飲むことができる栄養価の高いドリンクとして愛されてきたのである。粉状のココアとは違い、すでに混ざっていること、冷たくて飲みやすいといった理由で爆発的な人気をよんだが、これも長年愛されてきた理由だと言えるだろう。

参照URL
「Cacaolat(カカオラット)」公式ホームページ
http://www.cacaolat.es/
「Cacaolat(カカオラット)」公式フェイスブックページ
https://www.facebook.com/Cacaolat-40729646182/?ref=page_internal

なぜ、支持されているのか?

子どもから大人まで愛される味

カカオラットは、カタルーニャに本社があり、地元の高い支持を背景に他社の類似品をよせつけない強さがある。現在では、アレンジを加えたバニラ味・ストロベリー味なども開発されており、ちょっと違った味を楽しむことができる。また、長い歴史があるため、カカオラットを飲むと幼少期を思い出す人も多いだろう。大人たちにとっては「懐かしの味」といったところか。夏は冷やして、冬はホットドリンクとして、季節ごとに温度を変えて楽しむことができる。また、近年ではカカオラット0%という糖分・脂肪分ゼロ、食物繊維配合の商品も登場し、その支持層を広めている。

SNSでウィットに富んだ交流を!

「Cacaolat(カカオラット)」公式フェイスブックページを見てみるとわかるが、いいね!数が約13万もある。そして、思わずくすっと笑ってしまうような絶妙なユーモアがきいた短い2秒程度の動画と、短いコメントの組み合わせで巧みにユーザーを巻き込んでいる。たとえば、2016年12月16日の投稿はクリスマスに関してのもの。
「Ya habéis puesto los adornos de navidad?(クリスマスの飾りは置いてありますか?)」
という短い呼びかけ文章だけ。
だが、一緒にアップされている動画に工夫がある。AからZまでの電球が並んでおり、その電球が順番に光るのだが、その順番をよく見ると「C」「A」「C」「A」「O」「L」「A」「T」と光っている。自社ブランドの「カカオラット」を簡単な動画でしっかり印象付けるユニークなプロモーション手法といえる。

2016年12月16日の「Cacaolat(カカオラット)」のFB投稿のURL
https://www.facebook.com/40729646182/videos/10154652883446183/

このように思わずコメントしたくなるようなコミュニケーションをSNSを通じて図るなど、ユーザーの心を惹きつけてやまないブランドなのである。

スペイン人ママの心をくすぐる三つのポイントとは?

1.小さいころから親しんでいる大好きな味、濃厚なカカオ×ミルク

カカオ好き、甘党のスペイン人にとって、たまらない組み合わせでありながら、牛乳嫌いな子どもも喜んで飲む、味のよさと高い栄養価。何よりも自分自身も小さいころ飲んでいたという点がノスタルジーをそそる。

2.無糖・無脂肪などニーズに合った商品を開発

脂肪分の摂りすぎを避けたいママや健康志向者のニーズに合わせて、0%商品など新たな商品を開発。また、オレンジジュースなど他の素材を掛け合わせることでもっとカカオラットの味を楽しめる提案も積極的に実施している。

3.思わずコメントしたくなるユーモラス&絶妙なSNS投稿

フェイスブックやインスタグラムなど、さまざまなSNSでそのユニークな世界観を展開。カカオラットがどういう風に生活を豊かにしていくのか、そのプロセスをユーモアを交えて短い動画やコメントで端的に見える化している。

見覚えのあるロゴから連想するのは、シュワっと爽やかな炭酸飲料。でも、中身はとても甘い濃厚なカカオミルク。この意外性にも注目です。なにより、オマージュやパロディによるマーケティング手法で重要なのは、商品自体の質が高いこと。品質もすぐれているからこそ、茶目っ気のあるプロモーションがスパイスとなって消費者の心に届くのだと思います。
SNSを活用したプロモーションのヒントとして、ぜひご参考にしてください。

 

グローバルママ研究所
世界34か国在住の200名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2017年4月時点)。企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。
http://gm-ri.com/