マーケティングストーリーラボ(MSL)

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生活者視点のマーケティングとペルソナの重要性

なぜ「マーケティング」には「生活者視点」が必要なのか?

まだ世の中にモノが少なかった時代、商品は作れば売れる売り手市場でした。しかし、モノがあふれる現代では、どんなに良いものを作っても消費者に認知されなければ売り上げを伸ばすことは難しく、市場を分析する「マーケティング」は欠くことのできない重要な役割を担っています。

さて、商品を売るためにマーケティングを行おう! となった際に陥りがちなマーケティングの初歩的ミスがこちら。

自社商品の価値(コンセプト)ありきの調査・販促

自社商品のコンセプトに合う情報を探しに行ってしまうこと。そして、自社商品の良さを相手に関係なく発信してしまうことです。今の消費者は購入の前段階で、多くのリサーチを行います。この段階でニーズに当てはまらなければ、どんなにモノが良くても購入は保留になってしまいます。だからこそ、売り手側が考える価値を押し付けるのではなく、消費者=生活者の視点に立って、商品の価値や伝えるべき情報を考えることが重要なのです。

「かにギフト」で見る、商品選定のルートとほしい情報

話は変わりますが、先日80歳の両親に「かに」を贈ろうと考えました。この時の私の思考は生活者視点の一例となるので、人がギフトを選ぶ際にどのようなチェックポイントがあるか参考にしてみてください。私がかにギフトを考えたルートは以下の通り。

  • 予算を決める
  • 種類を決める
  • 量を決める
  • タイプを決める

 

予算を決める

世知辛い話ですが好きなものをなんでも!とは言えない懐事情。サイトに価格帯から選べる入り口があるのはありがたいことです。

種類を決める

私の場合「かにを贈るぞ!」というのは決まっていたので(母からのリクエスト)、この場合の種類はズワイガニかタラバガニか……といったかにの種類になります。しかし、そもそも何を買おうか悩む人もいるので、商品のカテゴライズは重要です。

さて、かにの種類を考える際のポイントとしては、高額のブランドかには価格帯の段階ではじかれているものの、何が何やらよくわからない。かにの種類を一覧できるコンテンツがあったら助かったなぁというのが今の感想です。かにはもちろん品種の多い果物など、複数の品種を取り扱う場合、自分や家族の好みに合いそうな品種を選べるコンテンツがあると、生活者は「親切なお店だな」と感じます。

さて、今回は金沢出身の母がなじみ深いであろうズワイガニを選びました。

量を決める

送り先が何人家族でどのぐらいの量が必要かも、選ぶ側にとっては重要なポイント。グラム表示だけだと正直わかりにくいので、何人前かの表示があるととても選びやすいです。魚の切り身などなら、お皿に盛り付けて箸などを置き、大きさ感がわかるとより親切です。

タイプを決める

今回、私が一番悩んだのはここ。タイプというのは、むき身か姿か脚だけか……ということです。なぜ悩んだのかは次の章で少し詳しくご説明します。

かにと高齢者。生活者視点で考える

生活者視点を考えるとき、商品の利用シーンだけではなく、商品到着から利用、その後までをイメージすることが重要です。今回「かにギフト」を贈りたい相手は80歳の両親です。食事量も減ってきたので食べきれないかもしれません、なので冷凍保存できることが好ましい。続いて、食べるシーンでは固いかにの殻を処理する必要があります。一般的に30代後半から40代を境に握力は低下してしまいます。かにばさみでかたい殻を裁くのは、もしかしたら重労働かもしれません。このような場合、すでにむき身になっているタイプは非常に便利です。

しかし、むき身タイプの場合セット内容は爪と脚の身だけです。「父はかにみそが好きだった」などと考え始めると、やはり姿か? いや、しかし……と、すっかり迷ってしまったのです。このような状況で有効なのは消費者インタビューや調査で、直接エンドユーザーの声を聞くことです。ということで、さっそく母に質問。

最終的にどうなったかと言いますと、母はむき身でも姿でもなく、脚だけの商品が欲しいとのこと。殻もあれば、みそもない。私のマーケティング力の敗北です。悔しかったので追加リサーチをした結果「むき身だと食べ方として鍋や焼きになるが、シンプルな茹でかにでおいしい脚の身だけをたくさん食べたい」というニーズがそこにはありました。

ペルソナ設計が重要な理由

我が家のかにギフトエピソードは「高齢者だから〇〇だろう」という狭い視野で、消費者ニーズを決めつけた悪例とも言えます。直前で消費者インタビューをしたため、失敗は回避できましたが、思い込みで選んだ商品を贈っていたら「おいしいけど、ちょっと物足りない」という感想を導いた可能性もあるのです。もしこれが企業と顧客の関係性であれば、LTV向上のチャンスを逃がすことにもつながります。

そうならないためにも、販促プロモーションや商品開発を行う際には、ターゲットのペルソナ像を明確にすることをお勧めします。ペルソナ設定については以下の記事に詳細が書かれております、サンプルのダウンロードもできますので、ぜひご一読ください。

ペルソナ設定のレシピ【サンプルDL付】~具体例とともに~