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ソーシャルメディアを運用するためには?~運用の流れ・メリット/デメリットを紹介~

皆さんは「ソーシャルメディア」と聞いて何を思い浮かべますか?Twitter?Facebook?YouTube?おそらくたくさんのツールを思い浮かべたのではないでしょうか。インターネットが普及し、それを活用したツールも増えている近年、毎日何かしらのソーシャルメディアに触れていると思います。さらには日常生活だけではなく、企業のマーケティング活動においてもソーシャルメディアが活用されています。
今回は、そんな「ソーシャルメディア」のマーケティング活用術のご紹介です。

ソーシャルメディアとは?

よく「ソーシャルメディア=SNS」と考えやすいですが、この二つは同一のものではありません。「ソーシャルメディア」の中のひとつに「SNS」が存在するのです。では、まずは「ソーシャルメディア」とは一体何なのかご説明します。
ソーシャルメディアとは、不特定多数の人がインターネット上でコミュニケーションをとることによって成り立っているメディアのことです。情報の発信者と受信者が繋がっており、さらに受信者は「拡散」することにより発信者にもなり得るのです。動画や画像などを用いてコミュニケーションをとることもできるのが特徴です。
では、次にSNSとの違いについてご説明します。

ソーシャルメディアとSNSとの違い

SNSとは本来、情報の伝達ではなく、友人や家族などと円滑にコミュニケーションをとることを目的としています。ブログやWikipediaのように、情報を不特定多数の誰かに伝えるものではなく、すでに関係性のある相手とのコミュニケーションに利用するのです。つまり、幅広いソーシャルメディアの中でも、特にコミュニケーションを目的としているツールがSNSなのです。イメージとしては以下の図になります。

ソーシャルメディアの運用の流れ

では企業がソーシャルメディアを通じて不特定多数のユーザーへ情報を伝え、マーケティング活動を行っていくためには、どのように運用していくべきなのでしょうか。主な流れをご紹介します。

1.ソーシャルメディアポリシーの設定

まず必要となるのが「ソーシャルメディアポリシー」の設定です。ソーシャルメディアポリシーとは、企業がソーシャルメディアを運用するにあたっての取り決めのことです。これが設定されていないと、企業として不用意な言葉が発信され、場合によっては経営を脅かす可能性もあります。企業アカウントの運用時のみならず、従業員一人ひとりのプライベートなアカウントでも留意しておかなければならない事項になるため、従業員の当事者意識も重要となります。

2.運用の目的を設定する

次に、何のためにソーシャルメディアを運用していくのかを決めます。目的(ゴール)が定まっていなければ、どのツールを使用して発信するのか、どんな内容の投稿をすれば良いのかが不明瞭となり、運用が失敗する可能性が高くなります。集客なのかブランディングなのか広報なのかなど、何のためのツールとして運用するのか明確にしておく必要があります。

3.目的に合ったツールの選定を行う

ツールにはそれぞれ特徴があります。それを考慮し、目的に合わせたツールを選定することが重要となります。認知度を上げるなら拡散力のある「Twitter」、ターゲティングの精度を上げるなら実名登録の「Facebook」、自社のことを知ってもらいエンゲージメントを築くなら「ブログ」など、やりたいこととそれを叶えるツールの組み合わせを考え、調査し、選定します。目的に合わせて複数のツールを併用していくのも効果的です。

4.運用計画を立てる

ツールの選定が完了したら、実際にどのように運用していくかの計画を立てます。記事・投稿内容の方向性や投稿時間、投稿頻度などのルールを決定します。あらかじめペルソナを設定し、一番投稿を見るだろう時間帯やニーズを想定したり、ツールごとにアクティブユーザーの多い時間帯を調査したりして設定するなどの作業も必要となります。

ペルソナの設定については、こちらの記事でもご紹介していますのでぜひご覧ください。
ペルソナ設定のレシピ~具体例とともに~【サンプルDL付】

5.ソーシャルメディアを立ち上げ

ツールの選定が完了したら、アカウント登録やページの開設を行います。近年では「なりすまし」の非公式アカウントも多く見受けられるので、「公式」であることを明記すると信頼性が高くなります。

6.運用

あらかじめ決めたルールに則り、運用を開始します。この際に注意するべきことは、「1」で作成したソーシャルメディアポリシーを遵守できているかです。企業のアカウントとして、企業ブラントに悪影響のない発言・情報を発信していきます。SNSを運用する場合は、ユーザーからのコメントがあった場合、可能な限りコメントを返すとエンゲージメントが高くなります。

7.分析・改善

ソーシャルメディアを運用する際、ただ投稿しただけではマーケティングには活用できません。ソーシャルメディアを通じて取得したデータを分析し、さらに良い運用を行うために改善を行う必要があります。分析を行う項目としては目的によってはさまざまですが、代表的なものを3つ挙げると以下になります。
①どんな内容の投稿が人気なのか
②よく投稿が見られる時間帯はいつなのか
③どんなユーザーが見てくれているのか(年齢、性別、職業など)
目的を達成するためには、ユーザーにとってどのようなアカウントであるべきかを考え、改善を行っていくことが重要です。

ソーシャルメディアの運用は手軽そうに見えて、意外と時間のかかる仕事です。
では、時間をかけて企業がソーシャルメディアを運用することにメリットはあるのでしょうか。

メリット

ソーシャルメディアを運用するメリットは大きく3つあります。

1.親近感・信頼感を持ってもらいやすい

ソーシャルメディア、特にSNSの運用の場合は一方通行だけではなく、企業とユーザー双方向のコミュニケーションが発生します。いいね!やコメントなど、日常生活において身近な人に行うような感覚で、企業のアカウントに対しても反応することができるため、親近感、さらには信頼感が生まれます。

2.安価で拡散力が高い

ソーシャルメディア上に1つのコンテンツ、記事を投稿すれば、ユーザーが拡散してくれるため、広範囲に情報を届けることができます。特に利用者が多いツールは、さらに広範囲に情報が拡散されます。拡散力はテレビCMが最も強いとされていますが、その分費用もかかります。しかし、ソーシャルメディアでは比較的安価で情報の拡散を行うことができるのです。

3.ファンになってもらえる

企業の雰囲気や想いを発信することにより、ユーザーがファンになってくれることもあります。数多くの商品・サービスが存在する中で、自社のものを選んで、支援してくれるファンを増やすためにも活用できます。

もちろん、ソーシャルメディアの運用はメリットだけではなく、デメリットも存在します。運用の際はデメリットを理解し、未然に防いでいくことが重要となります。

デメリット

ソーシャルメディア運用のデメリットは大きく2つあります。

1.炎上する可能性がある

ソーシャルメディアは不特定多数のユーザーが見ることができるメディアです。価値観も人それぞれです。発信した情報の内容によっては、ユーザーから非難され、炎上に至ることもあります。特に匿名性の高いツールでは、登録が匿名であるが故に、ユーザーも厳しいコメントを寄せるため、炎上する事態が多く見受けられます。炎上状態になり、一度マイナスのイメージを持たれてしまうと、それを回復するためには時間もお金もかかります。ファンを獲得するためには親しみやすい内容の情報発信も重要ですが、企業イメージを損なわないよう、細心の注意を払う必要があるのです。

2.信頼してもらうのに時間がかかる

ソーシャルメディア上には膨大な情報が存在します。その中には正しいものだけではなく、誤った情報も多く存在し、ユーザーは疑心暗鬼のまま情報を閲覧します。そのため、運用を開始しても、すぐに「信頼できる情報だ」と思ってもらえないことがあるのです。Facebookのように実名登録を行うツールでは、最初からある程度の情報の信頼性は獲得できますが、匿名で登録するツールにおいては信頼を得るまでに時間がかかることがあります。アカウント名などに「公式」と明記し、正しい情報であることを伝えることで信頼は得やすくなります。

では実際に、ソーシャルメディアを運用したマーケティングの成功事例をご紹介します。

井村屋株式会社の事例

夏に食べたくなるのは冷たいアイス!ということで「あずきバー」で有名な井村屋株式会社の事例です。
井村屋株式会社では現在、Twitter、Facebook、Instagram、YouTube、monipla(ファンサイト)が運用されています。その中でも今回はTwitterの事例をご紹介します。
Twitter上での「あずきバーは固い」というユーザーの声をもとに、2017年に「おかしなかき氷 井村屋あずきバー」というあずきバー専用のかき氷機が開発・販売されました。
※商品の開発・販売は株式会社タカラトミーアーツが実施
井村屋の公式アカウントによる発売告知の投稿は1万7千件以上の「いいね!」や2万件以上のリツイートを獲得し、大変話題となりました。告知用の動画広告は現在も再生回数を伸ばし、50万回以上の再生回数となっています。また、ユーザーの声を商品へ反映する以外にも、「#○○の日」というタグを作成し、トレンドに沿った内容を投稿したり、ユーザーからのコメントに対して反応したり、他の企業とフランクにやり取りをしたりと、親しみやすい身近な存在としてのアカウント運用を行っています。
2012年に公式Twitterを開設した当初、「隣の井村屋さん」として親しみやすい存在を目指した結果、現在それを実現しているのです。
先日開催されたアイス総選挙2018では644の商品の中、12位を獲得するなど、アイスの中では少し渋めと思われるあずきバーが絶大な人気を誇っているのも、このようなソーシャルメディア運用が要因となっているのです。

参考:
井村屋株式会社公式サイト:https://www.imuraya.co.jp/
井村屋公式Twitter:https://twitter.com/IMURAYA_DM
宣伝会議 アドタイ:https://www.advertimes.com/20170906/article256773/
タカラトミーアーツ :https://www.takaratomy-arts.co.jp/specials/azukibar/

 

このように、ソーシャルメディアの運用において重要となるのは、企業としてどのような目的を持って運用していくのかという明確な方針と、取得したデータをマーケティングに活かすための分析なのです。また、親しみやすい雰囲気を作るためにも、運用を楽しんで行うことも必要ではないかと思います。

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Seto
2018年からキャリアチェンジした新人。まだまだ慣れない言葉たちに苦戦しながらも日々なんとかやっています。趣味は朗読。南国育ちですが、日本酒が好きな変わり者(と言われます)。