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News Update

【ミャンマースーパー事情】ミャンマーの邦人の救世主!?「イオンオレンジ」大盛況の理由とは?

こんにちは。世界のママを研究しつくす!「グローバルママ研究所」のNanaです。
近年、急成長を遂げているミャンマー。多くの日系企業が進出しています。在留邦人の数も増え、2016年10月の外務省の統計では前年比で30.3%も増加。このような活況のなか、ミャンマーで小売業にいち早く乗り出したイオンが「イオンオレンジ」を出店し、在留邦人たちの需要と胃袋を満たしてくれているようです。
さっそく、成功の要因を探ってみましょう。

アジアのなかでも在留邦人がダントツで増え続けているミャンマー。そんなミャンマーに住む日本人が、こぞって通う話題のスーパーマーケットがある。それが日本企業であるイオン株式会社と、ミャンマー現地法人であるクリエーション・ミャンマー・グループ・オブ・カンパニーズ(Creation Myanmar Group of Companies Limited、略してCMGC)による合弁会社「イオンオレンジ(AEON ORANGE)」である。在留邦人が急増しているミャンマーで、いち早く小売業に乗り出したイオンの成功の要因を探る。

商品・プロモーションの概要

ミャンマーに住む日本人の不満とは?

日系企業の進出が増えるとともに、ミャンマーに住む日本人は年々増加している。発展の最中にあるミャンマーに住む日本人にとって、不便なことや不満なこととは何だろうか?住居や生活インフラといった基盤はもとより、日本人なら絶対に恋しくなるのがやはり慣れ親しんだ日本食だろう。ミャンマー料理といえば、油を多く使うメニューや、日本人には馴染みのないスパイスが効いた料理も多い。慣れない食事に胃もたれを起こしたり、独特なミャンマー料理の味にストレスを感じる人も少なくない。そんな日本人の需要に応え、ミャンマー最大の都市ヤンゴンには、寿司屋やラーメン屋などの日本食レストランが続々と開店している。
しかし外食も毎日となると飽きる上費用もかさむし、渋滞の多いヤンゴンではラッシュアワーに移動するのも一苦労。日本食を家でゆっくり食べたいという在留邦人による切実な要望がありながら、現地のローカル企業が発売しているものや、近隣国から輸入された日本食品は大抵ローカライズされた味付けで、日本人には違和感を感じるものが多い…。このように数年前までは本物の日本食品を手軽に購入できるスーパーはなく、その望みはなかなか叶うものではなかった。

日本と遜色ないスーパーがミャンマーへ進出!

2016年に日本の小売業大手のイオングループがヤンゴンに、日本の商品を扱うスーパーマーケット「イオンオレンジ」をオープンさせた。このスーパーマーケットは、イオンがミャンマーで流通業などを手広く行う現地企業クリエーション・ミャンマー・グループ・オブ・カンパニーズとともに設立した合弁会社だ。開店当時、5年後に年10店ベースでミャンマーに新規出店する計画だと発表された。「イオンオレンジ」には、果物や野菜などの生鮮食品、巻き寿司やおにぎり、コロッケなどの惣菜、納豆や豆腐など日本でおなじみの加工食品はもちろん、日用雑貨、生活家電、化粧品なども陳列され、充実の品揃え。その上イオンのプライベートブランドであるトップバリュー商品までも手に入る。ちなみに日本人だけでなく、ミャンマー人をターゲットにしたミャンマー料理の惣菜なども揃っており、地元の人々にも人気がある。

参考URL:
「AEON ORANGE」
http://www.aeon.info/news/2016_2/pdf/160929R_3.pdf
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ08IDB_Y6A800C1000000/

支持されている背景・理由

豊富な品揃えと手頃な価格帯、日本大手企業のブランドで集客!

これだけ日本の商品が揃っているスーパーマーケットは今までミャンマーには存在しなかった。この日本商品の豊富さが、集客力につながっている一番のポイントと言えるだろう。また海外では高級なイメージが強い日本製品を扱いながらも、「イオンオレンジ」は現地人にも受け入れてもらえるように価格が抑えられている。こうしたリーズナブルな価格帯に加え、日本の大手企業イオングループというブランドへの信頼感もあり、顧客から支持されている。

ミャンマー人および在住邦人の心をくすぐる3つのポイント

1.増加するミャンマー在留邦人と日本食品の需要

近年ミャンマー在留邦人の増加に伴って、ミャンマーにおけるニーズに応え日本食レストランが急増していくなか、本物の日本食品を提供するスーパーは数年前まで存在しなかった。そこに「イオンオレンジ」がオープンし、大盛況となっている。

2.日本大手企業というブランドへの信頼感

現地のスーパーマーケットで手に入る日本食品はローカライズされており、日本人には違和感がある味付けのものが多いが、大手日本企業が手がけたスーパーマーケットいうブランドへの信頼度は高い。

3.充実の品揃えとリーズナブルな価格帯

日本大手の小売り企業であるイオンと現地で流通業などを広く手がける現地企業とが手を組み、在留邦人の求める豊富な商品を揃えている。また高級路線でなく、リーズナブルな価格帯に設定することで現地人にもアピールしている。

ミャンマー最大の都市ヤンゴンには日本食レストランが次々にオープンしていますが、いくら和食とはいえ、さすがに毎日の外食となるとつらいもの。自宅で日本食を作れたり、日本食の総菜が手軽に手に入るようになったりで、現地在住の邦人にとっては大きなニュースとなりました。また、日本人だけでなく、地元のミャンマー人もターゲットにした商品展開をしているのもポイントですね。
今後もどのように発展を続けていくのか、見逃せません!

 

グローバルママ研究所
世界35か国在住の200名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2017年12月時点)。企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。