マーケティングストーリーラボ(MSL)

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週刊カタログをリモート制作!?
コロナ禍業務改革。可能な限りオンラインへ。

赤字が入れられた校正紙、弊社ではよく見かけるものです。

弊社はカタログ制作に携わって20年以上。自動組版、画像管理システム、編集、デザイン、DTPなど、制作進行のシステムやノウハウがあり、週刊カタログの企画・制作も多く担当しています。

紙の校正紙を前に対面でコミュニケーションしながら制作することが当たり前だった制作現場に、早急な改革が必要となったのが、新型コロナウィルス(以下コロナ)の影響でした。

週刊カタログを制作させていただいているY社様の場合、食品の宅配サービスを展開されており、コロナ禍ではより一層、需要が高まっている状況でした。
もし、発行が遅れることになれば、サービス利用者様に更なる負担をかけることになります。とはいえ、クライアント様や制作スタッフの安全も確保しなければ・・・

3月上旬にY社様から「業務のリモート化を相談したい」とお話がありましたが、担当者様も弊社も手探り状態。特にY社様の場合はスピーディーさと内容の充実を図るため、対面で密に連携をとっていただけにリモートでどれだけの業務ができるのかまったく未知数。また、新しいシステムを導入するなどの対策をこのタイミングで行うことは現実的ではない状況でした。

そこで、アナログでもよいからリモートできる方法を迅速に確立させておくことが重要と考え、暫定処置ではありますが、3月下旬からリモートを採り入れた週刊カタログ制作を開始することになったのです。

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今までのやり方を基準に考えることはやめよう。

リモートを採り入れた制作を行うことに、弊社社内からも最初は不安の声がありました。

週刊というスピードの中で、途中で制作方法を変えるのはミスが起きるなどの大きなリスクが伴います。過去、東日本大震災などでのイレギュラー対応などは経験があるものの、「対面しない」で行うのは初めてのこと。

専門ごとに分かれている制作工程の中で多くのスタッフが関わっているだけに、様々な意見が出ました。

そんな中、制作チーム内の議論で生まれたのが「今までのやり方を基準に考えることはやめよう。」という意識でした。

従来の紙ベースの制作方法をリモートでどう行うのか?と考えていくと、当然「できない」という結論になってしまいます。そうではなく、コロナという非常事態の中でカタログを制作し続けるために、どういうやり方ができるのかと考えていく、携わるスタッフ一人一人の意識改革も必要でした。

約20名分の赤字のやり取りをオンライン化。

実際にコロナ禍対策で行った改革は大きくふたつ。

■対面での会議をほぼWEB会議に移行

■担当者様の赤字の記入をデジタル化


対面での会議をほぼWEB会議に移行
定例で行われていた会議はほぼWEB会議で行うことになりました。弊社ではすでにZOOMによるWEB会議を採り入れていたため、比較的スムーズに移行することができました。

担当者様の赤字の記入方法をデジタル化
従来は原寸大に出力した原稿に、複数の担当者様で直接赤字を入れていただき、後にクライアント様と弊社編集者が対面で打ち合わせをし、赤字の不明点のやりとりやライティング・編集方針についてすり合わせをしていました。特にY社様の場合、関わる担当者様が多く、約20名前後の方が赤字を入れるため、どう赤字を集約するのかが大きな課題でした。

行ったのは

①スプレッドシートに、「どのページの」「どの商品に対して」「どんな修正をするのか」という内容が整理できる表を制作。

②担当者様でスプレッドシートに赤字を記載していただく。

③スプレッドシートの赤字指示をもとに、弊社で修正を行う。

という方法。

結果は・・・初回はなかなかスムーズにはいかないのが現実。

しかし、一度行ってみることで、どこを改善すればいいのかが明確に見えたため、赤字の入れ方のルール化や、赤字のとりまとめの際のチェックなど、担当者様と協議しながら改善をはかっていくことに。

回を重ねるごとに少しずつスムーズに進行できるようになり、「思っていたよりもできるじゃないか!」と、成果が感じられました。

また、赤字の入れ方が手書きではなくデータに入力になることで、担当者様の方でもより端的に意図が伝わりやすいように赤字を入れてくださるようになり、修正がスムーズに行えるという利点もありました。

一方で、DTPオペレーターやデザイナーは、赤字データと誌面を突き合わせて確認しながら作業する必要があるため、作業効率が今までに比べると低下せざるを得ないという状況が起きてしまいました。

しかし、クライアント様と協議しながら改善を図ることで、導入当初に比べて効率の改善がみられています。

担当者様は約8割、弊社編集者も約5割がリモートに。

当初の目的であった関係者の罹患リスク低減確保において、
クライアント担当者様は、おおよそ週に1日度の出勤に抑えられ、中には完全にリモートで完結している方もいらっしゃる状況を達成しました。
また、弊社の編集スタッフも週に2~3日ほどの出勤に抑えることに成功しました。

とはいえ、リモート制作を導入しはじめた3月下旬は、弊社内でも在宅勤務の環境整備を進めている最中でしたので、すぐに全員がリモートに移行できたわけではありませんでした。また、編集スタッフがリモート作業となった際は、編集以外のスタッフが冊子内の齟齬がないかチェックするなど、それぞれの業務範囲を超えたフォローが不可欠でした。制作スタッフ内での協力体制をとることで、リモート化を進めながらもミスなく誌面を発行できたと感じています。

紙媒体の制作の思い込みに気づかされた部分も。

週刊カタログを今まで通り制作できるのか不安は大きかったのですが、一部をオンライン化できたことは大きな成果でした。

「やろうと思えば意外とできるんだな」と感じるとともに、紙カタログは紙ベースでしか作れないという思い込みがあったことにも気づかされました。

ご紹介した方法は、暫定的な対応であったためアナログなやり方でありますが、改善を進めるとともに、オンライン校正を検討するなど、コロナに対応した新しい制作方法を日々進めています。

コロナ禍は平時ではないからこそ、今まで考えもしなった新しい可能性が発見できるチャンスでもあるのではないでしょうか。

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