マーケティングストーリーラボ(MSL)

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第11回「日本マーケティング大賞」表彰式! グランプリ大塚製薬「ポカリスエット」ほか10件を表彰

2019年6月21日、第11回「日本マーケティング大賞」の表彰式が、赤坂インターシティコンファレンス the AIR (東京・港区)で開催されました。「日本マーケティング大賞」は、新しいマーケティングやコミュニケーションの手法、ビジネスモデルの開発を積極的に促すことを目的に、日本マーケティング協会(https://www.jma2-jp.org/)創立50周年を機に創設されました。第11回目となる今回は、「見つけた!時代を変えるマーケティング!」をテーマに、時代を創り、変革期に相応しい、多様なマーケティング活動を顕彰する内容へと表彰内容を改編。大賞を「グランプリ」と改称、また「準グランプリ」を新設しました。

日本マーケティング協会会長の藤重貞慶氏から、今回は約151件のノミネートがあったこと、大賞からグランプリへの改称・準グランプリの新設といったマーケティング大賞の発展に向けた変化についての説明がありました。続いて、選考委員長高田覚氏(朝日新聞社 取締役)は、3度の書類選考と3度の討議を重ねた末の賞の確定であったこと、また評価ポイントは「単なる商品・サービスの人気ランク付けではなく、しっかりとしたマーケティング戦略に裏付けられた、歴史的な評価に耐えうる取り組み」であることなど、選考過程を報告しました。

 

グランプリを受賞したのは、大塚製薬株式会社の『中高校生に寄り添うブランドを目指す「ポカリスエット」のマーケティング』。同社の取締役副社長 井上眞氏は「ロングセラーだからこそできることがある」と言い、「長い時間をかけて培われた資産の見直しをしたことが成功の要因のひとつ」とコメントしました。

準グランプリは株式会社マガジンハウス「『漫画 君たちはどう生きるか』のマーケティング」。鉄尾周一氏が登壇し、「書店でのプロモーションや糸井重里さんなど原作ファンからのコメント拡散のほか、地方へのプロモーション、市民大学のホールで講演、PTAの推薦など、地味でもまっとうなマーケティングがこの本には合っていた」と振り返りました。

今年から表彰式の内容も刷新され、グランプリ、準グランプリ受賞作の代表者からの挨拶の後は、奨励賞・地域賞受賞企業・団体によるパネルディスカッションが行われました。受賞企画を考えるきっかけとなったエピソードや課題意識、企画を推進する上での難所など、リアルなコメントが各社・各団体から聞かれました。また、今回は昨今縮小市場とも言われる出版・書店業界から2社選出されていることや地方からの発信企画、ロングセラーブランドであるが故の課題と革新など、それぞれ背景は異なるものの各社・各団体の発言からは「この状況を変えなければ」という危機感や使命感から生まれた企画であるという印象を受けました。ある企業から飛び出た「がけっぷち」というコメントが、その後他の企業や団体からも「うちも負けません」と冗談交じり何度も使われるなど、今回のマーケティング大賞のひとつのキーワードにもなりました。

パネルディスカッションの模様はこちらからご覧ください。
テーマは「がけっぷち」?? 第11回日本マーケティング大賞表彰式 パネルディスカッションの様子をお届けします(https://msl.yuidea.co.jp/event/4497)

受賞作品は以下のとおり。受賞理由の詳細は、日本マーケティング協会のホームページをご覧ください。(https://www.jma2-jp.org/home/news/562-taisho11

グランプリ

中高校生に寄り添うブランドを目指す「ポカリスエット」のマーケティング
大塚製薬株式会社
https://pocarisweat.jp/
ターゲットユーザー(中高生)が毎年入れ替わる難しい商品でありながら、総合的なマーケティングでターゲット層から共感・共鳴を得ることに成功。市場を拡大し続けている点が評価されました。

準グランプリ

『漫画 君たちはどう生きるか』のマーケティング
株式会社マガジンハウス
https://s.magazineworld.jp/books/kimitachi/
社会的視点が切り拓いた新しい市場。80年以上前の原作を、現代の世相にも相通ずる社会情勢を背景とした作品の本質を保ちながら、誰でもが読みやすい漫画という形で世に送り出した。世代を超え多くの人の心をつかみ、発行部数212万部、同時発売の小説版も55万部と大ヒットを記録した点も評価されました。

奨励賞

■耳で聴かない音楽会
公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団
https://www.japanphil.or.jp/concert/23214
テクノロジーを駆使した新市場創造マーケティング。耳ではなく、身体で聴くという新しい音楽の楽しみ方を社会に提案。音を光や振動に変える音楽デバイス(SOUNDHUG とORCHESTRAJACKET)を用い、聴覚障害のあるなしに関わらず、みんなで音楽を楽しむことを実現し、”聴覚障害のある人”という音楽ファンの市場を開拓するキッカケを作り、評価されました。

 

■「お絵かき爽ハッピー」
株式会社ロッテ
https://soh-happy.jp/
新しい食体験の提案で新たなポジションを獲得。ニッチな味が乱売されるアイス市場で苦戦していた「爽」。「キャンバスのように四角い」ことに着目、専用スプーンを開発し、お絵かきしながら食べる「新しい食体験」を提案。新たな「フレーバー」を作るのではなく食べる「体験」を新しくするという戦いの土俵を変えたこと、SNSで自走する仕組みで、キャンペーン開始後3か月で売上が242%へとアップしました。

 

■COGY あきらめない人の車いす
株式会社TESS
http://cogycogy.com/
ポジショニングとコミュニケーションによる社会的課題の解決。「足をあきらめる」のではなく「足をあきらめない」ために足こぎ車いすに乗る、という新たな選択肢を提示。認知が低く、必要とする人たちのもとに届いていない状況を、ポジショニングとコミュニケーションによって打破、日本のみならずタイ・インドネシア・EUなど世界中で販売。売上は前年比の2.5倍に成長。

 

■「神戸タータン」による地域連携マーケティングプラットフォーム構築
神戸タータン協議会
https://www.kobetartan.jp/
地域ブランド普及の新たなマーケティング手法。神戸地区の地元商業者、商店街、大手百貨店、行政、教育機関が構築したブランド・プラットフォーム。神戸港の海の青、ポートタワーや神戸大橋の赤、白亜の建築物や特産の真珠の白、そして後ろにひかえる六甲山系の緑を組み合わせた、「神戸タータン」をデザインし、設立以来、120社が加入し、220件以上の関連商品が誕生。

 

■老舗書店「有隣堂」の挑戦
株式会社有隣堂
https://hibiya-central-market.jp/
低迷市場における新たなポジションの創造。創業110年を迎える書店「有隣堂」。低迷する書籍市場において、東京ミッドタウン日比谷への新業態での出店など、書店という従来の業態の区分にこだわることなく、地域の暮らしに必要とされる機能を自ら発見し、その役割を担う業態として新たなポジションを創造しました。

地域賞

■阪急うめだ本店デパ地下「食品メーカーとコラボでヒットを連発するオンリーワン戦略」
株式会社阪急阪神百貨店
https://www.hankyu-hanshin-dept.co.jp/
新しい顧客創造のために、誰もが知っている「あのメーカー・ブランドのあの食品」のプレミアム版を開発しショップ化。単に誰もが知っている食品の高級版として話題化させるだけでなく、いずれの商品も手みやげ・贈答品として使えるように開発することで百貨店・メーカー双方にとっても新たなマーケットの創出につながっています。

■南島原発!宅配クリーニングNexcy/ネクシー
株式会社クラスタス
https://nexcy.jp/
ネットで申し込み、宅配便で引き取り・お届けができる、宅配クリーニングサービスを、日本全国を対象に提供。有益な洗濯関連情報をブログやSNSで発信し、地方のハンデをものともせず、提供品質への信頼とPR効果で、年々成長。2018年度前年比200%の売り上げ達成。着想の斬新さとコモディティサービス、スモールビジネスをデジタルの力で全国区にした事例。

■高校がまちを変える~廃校からの決断~
三笠市
https://mikasa-highschool-restaurant.com/
生徒募集停止、道立としての閉校を示された三笠高校は、市立校として食のスペシャリストを養成する食物調理科単科校へ転換。将来の進路目標を明確に持った多数の入学希望者が集まり、昨年7月には「三笠高校生レストラン」をオープンしました。営業日には全道・全国から多くのお客様が訪れており、一つの高校を核とした三笠市の取り組みは、好循環で過疎のまちが復活する貴重な事例。