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【米国ビジネス事情】SNSにより新たな広がりをみせるスポーツ産業。50兆円マーケットが成り立つ理由とは?

こんにちは。世界のママを研究しつくす!「グローバルママ研究所」のNanaです。
まだ記憶に新しいロシアサッカーワールドカップ、2020年東京オリンピック開催の影響で、日本でもスポーツ観戦人気がますます高まっています。一方、スポーツ大国アメリカに目を向けると、野球、アメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケーなど、数えればきりがないほどスポーツの種類も豊富です。スポーツ産業の世界市場において、50兆円規模にもおよぶというアメリカ。アメリカでは、なぜここまでスポーツ産業が巨大ビジネス化しているのでしょうか?さらに近年、SNSによりスポーツ産業も新たな広がりを見せています。今回はアメリカのスポーツ産業に焦点を絞り、カテゴリ別に集客効果などをチェックしながら、その成功の秘訣を紐解いてみましょう。

アメリカのスポーツ産業は50兆円規模といわれ、なんと世界市場3分の1のシェアを占めている。スポーツ大国であるアメリカでは、観戦から健康維持やレクリエーション、習い事や部活動まで、スポーツが国民の日常生活に浸透している。その社会的背景には、エンターテインメント・コンテンツとしてスポーツが老若男女に広く受け入れられていること、スポーツによる教育効果が重視されていることがあげられる。さらに近年、ソーシャルメディアを通じたストリーミングや交流によって、愛好家同士のコミュニケーションとしてスポーツがさらなる付加価値を生んでいる。今回は、アメリカのスポーツ産業に焦点を当て、その隆盛の秘訣に注目したい。

商品・プロモーションの概要

裾野が広いスポーツビジネスにおけるカテゴリ別の集客効果とその戦略は?

スポーツ産業は、
1.放映権/スポンサーシップ
2.スポーツ施設/大会運営
3.習い事/スクール運営
4.スポーツ用品/アパレル
に大別することができる。
カテゴリごとに、どんな集客効果や戦略があるのかを見てみよう。

1.放映権/スポンサーシップ

ベースボール、アメリカンフットボール、バスケットボールなどに代表されるプロスポーツ・大学スポーツはエンターテインメント・コンテンツとしての価値が高く、試合のテレビ放映権、広告費、チケット・グッズの売上、選手のスポンサー契約料など、その経済効果は大きい。例えば、毎年2月に行われるアメリカンフットボールのチャンピオンを決める「スーパーボール」の経済効果は1.5兆円にもおよぶ。大スターによってハーフタイムに繰り広げられるきらびやかなショーは、ひとつのエンターテインメントとして確立しており、1億人以上が視聴するお祭りイベントである。最近では、スポーツのライブ放映やストリーミングにFacebook、YouTube、Amazonが参入し、ソーシャルメディア間の新たな競争が激化している。

2.スポーツ施設/大会運営

アメリカ郊外では、グラウンド、プール、ゴルフ場、スケートリンクなどのスポーツ施設が充実している。固定資産税を財源とする自治体や高校、大学が保有・運営しており、自治体や民間スポーツクラブなどが主催する市民スポーツ大会が数多く開催される。ボストンマラソンやシカゴマラソンといったメジャーな大会から地域の小規模な大会まで、スポンサーや地域コミュニティを巻き込み、遠隔地からの参加者を募る“スポーツ・ツーリズム”も含め、地域経済にも貢献している。

3.習い事/スクール運営

アメリカ人は他国と比べて定期的に運動をする人の割合が高いといわれ、フィットネスクラブやスポーツクラブ、各種グループなど、バラエティ豊富。教育においても、スポーツが忍耐力やチームワークなどを含む情操教育に効果的と考えられており、受験や就職におけるアピールポイントにもなることから、スクールやコーチ業が産業として成り立っている。

4.スポーツ用品/アパレル

スポーツウェアが運動用のみならずアパレルでも取り入れられており、ナイキ、アンダーアーマーといったスポーツウェア・ブランドは、アメリカでは日常的に着るファッションである。また、こうした企業は、プロスポーツや各大会のスポンサーとなり、認知度やブランディングをさらに高める戦略を取っている。

学校でも会社でもスポーツの話題はマスト!SNSによるさらなる広がり

アメリカは、スポーツが生活の隅々に溶け込んでいる社会である。週末は友人や家族たちとスポーツ観戦をし、週明けには学校・会社や近所でスポーツ談義に花を咲かせ、共通の趣味であるスポーツを通じビジネスや地域ネットワークを広げる、といった具合だ。特に地元や出身地のチームへの思い入れは強い。ある日本人ビジネスマンが「アメリカでローカルの顧客に受け入れられるには、スポーツ話題の攻略が必須」と、言われたほどだそう。アメリカは、基本的に競争を好む社会であり、スポーツの実績が社会的成功に結びついているのも特徴だ。幼児や小学生の習い事からスタートし、中高校生になると大会で実績を残し、大学受験や就職でのアピール材料とするなど、受験や就職における位置づけも大きい。最近では、ソーシャルメディアがエンターテインメントやコミュニケーションの必須ツールとなってきている。スポーツチームのファンサイトを始め、フィットネスクラブ、大規模な市民大会には専用アプリがあり、ファン同士チーム愛を盛り上げたり、スポーツを通じたチャレンジや自己実現を共有したりと、新しい楽しみ方を提供し、スポーツ産業のさらなる発展に貢献している。

参考URL
米国 スポーツ市場・産業動向調査
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2018/36336636325a9892/201803usrp.pdf
Super Bowl billions: The big business behind the biggest game of the year
https://www.cnbc.com/2017/01/20/super-bowl-billions-the-big-business-behind-the-big-game.html
These are the world’s 10 best marathons
http://www.espn.com/sports/endurance/story/_/id/19129302/expert-panel-world-10-best-marathons-including-boston-london-tokyo
Facebook, Google and Amazon are coming for your TV sports
https://www.nbcnews.com/tech/internet/game-facebook-google-amazon-are-coming-your-tv-sports-n856906

アメリカでスポーツビジネスが成功している3つのポイント

1.高いコンテンツ価値

スポーツ産業は、放映権/スポンサーシップ、スポーツ施設/大会運営、習い事/スクール運営、スポーツ用品/アパレルに大別され、カテゴリごとそれぞれの集客効果や戦略が存在する。

2.スポーツの教育効果が重視されている

アメリカでは「スポーツを通じて生きる力を育むことがその後の成功につながる」という社会的信条があり、受験や就職でも重視されている。

3.SNS×スポーツの新たな広がり

アメリカでは、スポーツの話題がコミュニュケーションやネットワーキングの重要ツールともなっている。SNSを通じて、ファンや仲間との情報共有を実現し、つながりの場を提供し、スポーツ産業のさらなる発展に貢献している。

 

アメリカ国民の日常生活に浸透しているスポーツ。小さな子どもから老人まで、さまざまな形でスポーツにふれあい、生活していることがうかがえます。また、近年ではSNSを通じてスポーツ産業のさらなる発展を遂げています。日本も2020年の東京オリンピックへ向けてスポーツ産業がどのように盛り上がるか楽しみですね。

グローバルママ研究所
世界35か国在住の200名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2017年12月時点)。企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。