マーケティングストーリーラボ(MSL)

CONNECT THE STORIES, TO LIVE AND LONG ENGAGEMENTS “生きたStoryを感じる”「場創り」と「コンテンツ創り」

News Update

【フランス食トレンド事情】SNSで厨房から情報発信!家庭で本格フレンチが食べられる新サービスとは?

こんにちは。世界のママを研究しつくす!「グローバルママ研究所」のNanaです。
近年、食事デリバリー業界の成長は目を見張るものがあります。注文のデジタル化の発展にともない、利用者も急増。需要の増加により、実店舗の存在しない食事デリバリーに特化したサービス会社が急ピッチで増えています。ますます増える食事デリバリーのバリエーションに一消費者としては期待が高まります!そのようななか、世界3大料理のひとつである本場フランスでは、デリバリー業界に本格的なフランス料理が参入。SNS上で話題になり、どんどん広まりをみせているようです。南仏発、真空保存のデリバリーサービス「ジャム・ホームメイド・キュイジーヌ」。その集客戦略をみていきましょう。

日本の是枝監督のパルムドール(最高賞)受賞で幕を閉じた、今年のカンヌ国際映画祭。その南仏カンヌでこの3月に始まった新しいデリバリーサービスが、SNSで話題になっている。カンヌ市内で作られた、できたてのメニューを真空保存し、オフィスや家庭に届けるというサービスだ。国産や地元産の新鮮な食材で調理された本格料理が、ピザやハンバーガー並みの値段で購入でき、さらにデリバリーしてもらえる。選択肢の少なかったフランスのデリバリー業界に風穴を開けるこの試みは、新たなビジネスとしての将来性が見込まれ、今後フランス全土にフランチャイズ展開される計画もある。南仏発、真空保存のデリバリーサービス「ジャム・ホームメイド・キュイジーヌ」は、どのような戦略で集客をしてきたのか?その謎を紐解いていく。

商品・プロモーションの概要

真空保存された料理を届ける「ジャム・ホームメイド・キュイジーヌ」

南フランスの港町カンヌで誕生した、フードデリバリーサービス「ジャム・ホームメイド・キュイジーヌ」のメニューは、季節によって変わり、通常8種類のメインディッシュが用意されている。肉料理2種類、魚料理2種類、ベジタリアン2種類と、多様なニーズにあわせてバランスよくメニューを配置。これらのすべてが調理後に真空保存され、仕事場や家庭などの指定先に配達される仕組みである。客は届いた真空保存のパックを数分間温めるだけで、本格的な料理を手軽に楽しめるという訳だ。同サービスの発起人であるフレッド・ヴァシュリエ氏は、エノロジスト(ぶどうの栽培からワインの醸造、瓶詰めまで行うスペシャリスト)兼ワイン生産者の資格を所持しており、ワインにあうフランス料理を得意としている。長年フランスで出前メニューといえば、ピザ、寿司、そしてハンバーガーくらいの選択肢しかなかった。ここに「程よく火の通った魚料理」や「ミディアムレアに焼かれた肉」が選べ、値段が他のデリバリーメニューと変わらないとなれば、話題になるのは無理もないだろう。

SNSで厨房から情報発信・共有することで顧客の信頼を獲得

「ジャム・ホームメイド・キュイジーヌ」は、SNSの更新頻度が比較的高めなのも特徴のひとつ。多いときは週に3・4回程度、厨房から新メニューや調理前の食材、調理過程の写真をfacebookやインスタグラムに投稿して、積極的に情報公開をしている。野菜の生産者の名前や食材の仕入先を明確にして、地元産の新鮮な食材を利用していることをアピール。さらには清潔な厨房で一から調理をしている様子を見せ、「ホームメイド」の名に偽りがないことを証明。顧客を安心させている。もちろん、味も利用者からのお墨付きだ。同サービスを利用した人たちからは、SNS上でその料理の美味しさとコスパの高さを絶賛されている。調理後すぐに真空保存処理が行われるので、従来はデリバリー向きでなかった「程よい火加減」の料理も、食感や味覚を落とさないまま配達できるようになったことも大きい。配達後も一週間程度なら、冷蔵庫で保存しておくことも可能だ。数日分をまとめて注文し、好きなときにまるで出来たてのような自家製料理が食べられるようになったのは、フランスフードデリバリー界の革命と言っても過言ではないかもしれない。

参考URL
https://www.jam-homemadecuisine.fr/
https://m.facebook.com/jamhomemadecuisine/
https://www.instagram.com/jamhomemadecuisine/?hl=f

支持されている背景・理由

持続的なWebマーケティングと出前メニューのマンネリ化からの脱出

同社の事業が支持を得られた理由として、facebookを利用した厨房からのオープンな情報発信と共有がある。また、利用した顧客による満足度の高いクチコミなど、持続的なWebマーケティングに成功していることも見逃せない。長年、限られた選択肢だったフランスの食品デリバリー界に本格フレンチが参入してきたことは、フランス人にとって大きなニュースである。もちろんコスパの高さが当事業を好調へと導いている要因のひとつになっているのは、言うまでもない。

フランスでうける3つのポイント

1.コスパの高いサービス

地元の新鮮な食材で丁寧に作られた本格的な自家製料理を、ファストフード並みの手頃価格で届けてもらえる。

2.手軽に料理を適温で再現できる

電子レンジで数分間温めるだけで手の込んだ料理が楽しめる手軽さへの評価も高い。デリバリーにありがちな冷めかけた料理を食べる心配がなくなった。

3.真空パックがもたらした革命

調理後フレッシュなまま真空保存されているので、従来は難しかった「レアな焼加減」の料理が配達できるようになった。また、まとめ買いをして一週間程度保存しておくことも可能である。

 

温めるだけで本格的なフランス料理を食べられるなんてとても嬉しいサービスですね。食に何かと不安のある昨今では、SNSで常に新しい情報を公開されていることは消費者にとっても安心・信頼できる最大のポイントではないでしょうか。自社のビジネスのヒントにぜひお役立てください。

 

グローバルママ研究所
世界35か国在住の200名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2017年12月時点)。企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。