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【香港のビジネス事情】ソーシャルメディアでも話題! 風が吹けばテープ屋が儲かる理由は?

こんにちは。世界のママを研究しつくす!「グローバルママ研究所」のNanaです。
2018年は「災」という漢字が今年の漢字に選ばれたほど、自然災害が多い1年でした。地震や台風など、天災が多いことで知られる日本ですが、被害を最小限に抑えるために、家庭で行う対策も年々進化しています。一方で、予測不可能な事態が起こることの多い災害では、昔ながらの教訓や備えも大切にされていることが多いようです。同じ天災でも、国が違えば、対策も異なるのが興味深いところ。香港での台風への備えは、身近なあるものを活用しています。誰にでも簡単にできる手軽さから、政府機関も推奨する対策。香港の台風対策をご紹介します。

2018年秋、超大型台風の「マンクット(Mangkhut)」が香港を襲った。この台風による損害額は、香港史上最高となる数千億円にも上るという。日本と同様、台風の多い香港では、台風シーズンになると、現地の人がそろって行うことがある。外国人には異様に映る光景だが、香港ではおなじみの光景。人の手を借りずに簡単に行える上、経済的でもあることから、台風時の定番対策となっている。

商品・プロモーションの概要

香港ママの台風対策

香港の土地面積は、東京都の約半分の約1,100平方キロメートル。ここに約700万人が暮らしている。そのため住宅は上へ上へと伸びる一方で、50~70階建てのマンションが一般的。空間を少しでも広く見せるため、壁一面が大きなガラス窓になっている建物が多いのが特徴だ。このような住宅に住む香港人が行う台風対策はマスキングテープを使った窓の強化。テープをアルファベットの「X」や漢字の「米」にみえるようにクロスさせて窓に貼り、強風による窓の振動を抑え、ガラスを補強する。
これは万が一、窓が割れた時にガラス破片飛散を防ぐ役割も担っている。テープは日用雑貨を販売するホームセンターや小売店、文房具店などで購入することができるが、今年は最大20%値上がりする可能性があると予測されていた。

香港の台風ビジネス

テープの通常価格は10ドル (約140円) だが、マンクット台風時には、約5倍の50ドル (約720円) で売る店もあった。非常時にここぞとばかりに値上げするお店に対して、ソーシャルメディア上では「北海道地震の時に、消費者のために値下げ販売していた日本の商売を見習え」という非難も見られたほどだが、ビジネスチャンスを逃さないのが、商売上手な香港人なのだ。
「風が吹けば桶屋が儲かる」ならぬ「風が吹けばテープ屋が儲かる」というからくりが香港にはあるのだ。海外からの駐在員が多い香港だが、賃貸マンションに住む外国人は、この風習に頭を抱えることが多いようだ。
「テープはどこのものがよいのか」「どう貼ったらよいのか」「はがすときに跡が残らないか」など初めての場合は特に、様々な疑問や戸惑いが見られるという。日本では防犯目的として、リサイクル可能で剥がした跡も残らないガラス強化フィルムや窓シートが販売されているが、香港で同様のものを探すのは至難の業。やはり経済的で簡単なテープが主流なのだ。

参考URL
https://www.scmp.com/news/hong-kong/hong-kong-economy/article/2164599/typhoon-mangkhut-bill-could-set-hong-kong-record
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-01-24/P2ZS5Y6JTSE801
https://www.scmp.com/news/hong-kong/health-environment/article/2164276/super-typhoon-mangkhut-hong-kong-shops-run-out
https://www.straitstimes.com/asia/east-asia/hong-kong-residents-urged-to-prepare-for-the-worst-as-city-braces-for-super-typhoon

支持されている背景・理由

政府も民間も推奨している対策

香港では、台風が来る前の準備として、テープで窓を補強することを天文台 (日本の気象庁にあたる機関) が推進している。マンションのエレベーターホールの掲示板にも台風前の備えとして「テープで補強しましょう」との案内が出るほど、定番の対策なのだ。

香港人の心をつかむ3つのポイント

1.昔からの知恵

台風が近づくと「窓にテープ貼った?」があいさつ代わりになる香港。そろそろ取り掛からなければという気持ちにさせられる。シーズンになると、ストックを買い足すことで安心感も高まるほど根強い風習だ。

2.手に入りやすい経済的な対策

共働きが多く、外国人ヘルパーを雇う家庭が多い香港。忙しいママや外国人ヘルパーでも、台風が来る直前で間に合う簡単さが受けている。どこの家庭にも1つはあるテープ。入手しやすく手軽な台風対策グッズと言えるだろう。

3.コンパクトさ

毎月来るとは限らない台風。窓ガラスに貼るためのベニヤ板や段ボールを保管しておくのは大変だが、収納に困らないテープのコンパクトさが支持を得ている。

 

台風時に窓ガラスにテープを貼るという光景は圧巻で、高層マンションが多い香港ならではの風習ですね。このように海外では現地の風習に根付いた、日本人からすると意外なものが売れたり、ヒットしたりします。
現地の生活シーンを定点観測などで紐解くことが実は成功のカギを握るのかもしれませんね。

 

グローバルママ研究所
世界35か国在住の200名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2017年12月時点)。企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。